新生児がいきむときの対応の順番|観察→姿勢→おなかマッサージ→受診、ステップごとに

夜中に赤ちゃんがいきんでいると、何からすればいいか途方に暮れますよね。観察→楽な姿勢→おなかマッサージ→受診のサインまで、4つのステップの順にまとめました。眠っているなら見守り、起きていていきむならマッサージ、危険なサインならすぐ受診。迷わないよう順番にお伝えします。

夜中に赤ちゃんが顔を真っ赤にしていきんでいると、寝ぼけた頭が真っ白になりますよね。抱いたほうがいいのか、マッサージしたほうがいいのか、受診したほうがいいのか。何から手をつければいいのか分からず、おろおろしてしまいます。

だから順番をあらかじめ決めておくと、ずっと慌てずにすみます。大きな流れはこうです。① まず観察して → ② 楽な姿勢で抱いて → ③ おなかマッサージと脚の運動で助けて → ④ よくならない・危険なサインがあれば受診。 眠っているなら見守ることから、危険なサインならすぐ受診まで。この4つのステップを順に見ていきますね。

STEP 1. まず観察する — 寝ているか起きているか、危険なサインはないか

いちばん先にすることは、手を出すことではなく見ることです。2つを確認しましょう。

1つめは、寝ているか起きているか。目を閉じたままいきんで声を出し、手足をもぞもぞさせているなら、浅い眠りの最中である可能性が高いです。新生児の眠りの半分以上を占めるこの浅い眠り(レム睡眠)では、顔をぴくぴくさせたり、手足を不規則に動かしたり、声を出したりすることがよくあります。このときはSTEP 2に進まず、数分そのまま見守ってあげてください。多くはひとりでにまた静かになります。起きていて、うんちをしようといきんでぐずっているなら、次のステップに進めば大丈夫です。

2つめは、危険なサインがあるか。観察の段階で下のサインが1つでも見えたら、姿勢やマッサージに進むのではなく、すぐにSTEP 4(受診)へ向かってください。

  • くちびるや顔色が青紫、または青白い
  • 呼吸が20秒以上止まる、または息が速く、ろっ骨の間がぺこぺこ引き込まれる
  • 緑色(胆汁)を吐く、くり返す噴水状の嘔吐
  • 血便、発熱、ぐったりする

この最初の観察をしっかりするだけでも、余計な手出しを減らし、本当に急ぐ瞬間を見逃さずにすみます。声と動きの見分けに迷うときは、新生児の泣き声、眠りながら出す声とどう違う?もあわせて参考にしてみてください。

いきむ新生児の様子を観察する保護者

STEP 2. 楽にしてあげる姿勢で抱く

起きていてつらそうにしているようなら、次は体を楽にしてあげることです。まだおなかをさする前の段階です。

おなかを温めてあげるだけでも緊張がほぐれます。手をこすって温めてからおなかにそっと当てたり、ぬるめのお湯で沐浴させたりすると、ずいぶん楽になる赤ちゃんが多いです。授乳を終えたばかりなら、寝かせる前に5~15分ほど縦に抱いてげっぷを助けてあげてください。胃に残った空気や不快感が下りて、いきみが減るのに役立ちます。

このとき、赤ちゃんのおなかが圧迫されない楽な姿勢で抱くことが大切です。無理にいきませるような姿勢よりも、体を少し丸く包むように抱いて、脚が自然におなかのほうへ寄るようにしてあげると、より落ち着きます。そもそも授乳のときに空気を飲み込ませないようにすると、こうした不快感そのものが減ります。くわしい方法は空気を飲ませにくくする授乳のコツにまとめておきました。

授乳後に赤ちゃんを縦に抱いて背中をさする保護者

STEP 3. おなかマッサージと脚の運動で助ける

姿勢だけでは足りないときは、今度はやさしく動きを助けてあげる番です。2つで十分です。

1. 時計回りのおなかマッサージ

おへその周りを、手のひらや指で時計回りに円を描くようにやさしくさすってあげてください。腸が動く向きと同じなので、ガス抜きやうんちの助けになります。授乳直後よりも、飲んでから30分~1時間ほど経ってからのほうがよいでしょう。おなかがいっぱいの状態ですぐに押すと、かえって吐き戻すことがあるからです。

2. 脚の自転車こぎ運動

赤ちゃんの両脚を持ち、自転車のペダルをこぐようにひざを交互におなかのほうへやさしく曲げてあげてください。おなかに軽く圧がかかって腸の動きを助け、ガスが抜けるのにも役立ちます。赤ちゃんが嫌がったら無理をせず、やさしく、遊ぶように行ってください。

新生児のいきみへの対応の順番と、おなかマッサージ・脚の運動をステップごとにまとめた図

ここで一つ注意したいことがあります。すっきり出させようと綿棒や体温計で肛門を刺激したり、習慣的に浣腸したりするのはすすめられません。その場では出ることがあっても、赤ちゃんが自分でうんちをする力を身につける過程をさまたげ、だんだん頼るようになってしまうことがあるからです。こうしてうんちにいきんでぐずるのは、おなかの筋肉と肛門の筋肉の連携がまだ未熟なために起こること(乳児排便困難)で、多くは生後3か月ごろコツをつかむにつれて自然によくなっていきます。それまでは、マッサージと脚の運動くらいでそばから助けてあげれば十分です。

STEP 4. こんなときは手を止めて受診へ

前の方法でも赤ちゃんがひどくつらそうにしていたり、観察の段階で見落としていた危険なサインが見えたりしたら、ためらわず小児科や救急へ向かってください。下のサインは、順番を問わずすぐにSTEP 4です。

こんなサインが見えたらどうする
くちびるや顔色が青紫、または青白いすぐに救急受診
呼吸が20秒以上止まる/呼吸困難(ろっ骨の陥没・1分60回以上)すぐに救急受診
緑色(胆汁)の嘔吐/くり返す噴水状の嘔吐すぐに受診
血便/発熱/ぐったり/授乳拒否すぐに受診

こうした場面では、「いつもと違う」という保護者の直感も大切な判断材料になります。どこかおかしいと感じたら、その感覚を信じて受診してみてください。個別の症状が心配なときは、この記事の順番だけで判断せず、かかりつけの医療者に相談するのがいちばん確かです。

赤ちゃんを抱いて受診の準備をする保護者

どのステップで楽になったか記録しておくと、次が早くなります

同じ赤ちゃんでも、ある日は温めて抱くだけで、ある日はおなかマッサージで楽になったりします。赤ちゃんによって、その日によって差があるので、今回どのステップでよくなったかを短く残しておくと役立ちます。

こうしたメモをすくすくぱしゃに残しておくと、次に赤ちゃんがいきむとき、最初から迷わずに、効果のあったステップからすぐに試せます。時間帯ごとに、いつよくそうなるのかパターンも見えてきて、受診するときに説明もしやすくなります。記録が判断の代わりになるわけではありませんが、夜中のたびに初めてのように慌てることを減らしてくれます。

よくある質問

眠りながらいきむときも、STEP 3まで全部してあげないといけませんか?
いいえ。眠りながら声を出したり動いたりするのは浅い眠りではよく見られる姿なので、STEP 1で止めて見守るのがよいでしょう。マッサージしようと眠っている赤ちゃんを起こすと、かえって深い眠りへ移るのをさまたげてしまいます。STEP 2から先は、起きていてつらそうなときに使う順番です。

おなかマッサージはいつするのがよいですか?
授乳直後よりも、飲んでから30分~1時間ほど経ってからがよいでしょう。おなかがいっぱいの状態で押すと吐き戻すことがあるからです。おへその周りを時計回りにやさしく、赤ちゃんが心地よさそうにする範囲だけで行ってください。

浣腸や綿棒の刺激は、本当にしてはいけませんか?
急ぐときの一度や二度ではなく、習慣的に行うのはすすめられません。赤ちゃんが自分でうんちをする力を身につけるのをさまたげ、頼るようになってしまうことがあります。助けたいときは、温めてあげる・おなかマッサージ・脚の運動の順で十分です。

順番どおり全部したのに、ずっといきんでいたら?
やわらかいうんちが出ていて、よく飲んでよく育っているなら、乳児排便困難のことが多く、3か月ごろまで見守ってよい場合が多いです。ただし、うんちが硬かったり血が混じったりする、熱・緑色の嘔吐・ひどいぐずりを伴う、体重があまり増えない、といったときはSTEP 4へ進んで受診してみてください。

最後にまとめると

赤ちゃんがいきむときは、順番さえ決めておけば、ずっと慌てずにすみます。観察(寝てるか起きてるか・危険なサイン) → 楽な姿勢 → おなかマッサージと脚の運動 → 受診。眠っているならSTEP 1で見守り、起きていてつらそうならSTEP 2~3で軽く助け、危険なサインが見えたらすぐにSTEP 4です。

浣腸や肛門の刺激のような無理な方法は飛ばして、温めて・時計回りのマッサージ・脚の運動でそばから助けてあげてください。多くは生後3か月ごろに自然によくなっていく過程です。ただし、チアノーゼ・呼吸困難・緑色の嘔吐・血便・発熱・ぐったりが見えたら、順番を問わずすぐに受診してください。赤ちゃんが眠りながらいきむのは本当に大丈夫なのか、もっと知りたい方はいきむ新生児、助けるとき vs そっとしておくときもあわせて読んでみてください。