予防接種のあとに熱が出たら、対処の順番と受診の目安

予防接種のあとに熱が出ると戸惑いますよね。接種後の熱や腫れはよくある反応で、たいてい1〜2日でおさまります。37.5〜38℃なら観察して水分、38℃を超えたら月齢・体重に合った解熱剤を相談、接種部位は冷却。6か月未満のイブプロフェン注意と、39℃・48時間・けいれんなどすぐ受診すべきサインまで順番に整理しました。

予防接種のあとに熱が出たら、対処の順番と受診の目安

昼間に接種してきたのに、夜になって赤ちゃんの体が熱っぽくなると、ひやりとしますよね。「これは大丈夫なの?解熱剤をあげるべき?それともまた受診?」と、頭の中がいっぱいになると思います。接種のあとに熱が出るのは、赤ちゃんの体がワクチンに反応して免疫をつくっていく過程でよく見られることが多く、多くの赤ちゃんが一度は経験して過ぎていきます。

まずは大きな流れをつかんでおきましょう。接種後の熱や接種部位の腫れはもっとも多い反応で、たいてい1〜2日のうちに少しずつおさまることが多いです。だから対処の順番は、だいたいこう流れます。微熱なら体温を測って見守り水分をとらせ、熱がもっと上がれば赤ちゃんに合った解熱剤を相談して使い、接種部位が腫れたら冷やしてあげる、という具合です。下で体温の区間ごとに一つずつ見ていきます。

ただ、熱が出たからといってすべて様子見でよいわけではありません。39℃を超える高熱、熱が2日以上続くとき、けいれんや呼吸困難・全身のじんましんのような反応、そして生後3か月未満の赤ちゃんの発熱は、正常な反応として流さず受診が必要なサインです。この目安は記事の後半にまとめてあるので、必ず確認してください。

接種後の熱と腫れ、なぜ起きてどれくらい続く?

接種後の熱は、ワクチンに対する体の正常な免疫反応の一つと考えられています。多くは接種した日か翌日のあいだに現れ、1〜2日のうちにおさまることが多く、接種部位が赤くなったり腫れて痛んだりするのもよくある反応で、たいてい数日のうちに引きます。

親の腕に抱かれて安心して休んでいる赤ちゃん

熱が出ると必ず高く上がるのではと心配になりますが、実際には微熱程度で過ぎることが多いです。もちろん赤ちゃんによって反応は違い、とくにぐずったり少し熱が上がる子もいれば、これといった様子もなく過ぎる子もいます。ですから「となりの赤ちゃんは平気だったのにうちの子だけ熱が」とあまり驚かなくて大丈夫です。大切なのは、熱の高さと赤ちゃんの全体的な様子、そして何日続いているかを一緒に見ることです。

熱が出たとき、どんな順番で対処する?

接種後に熱が出たときは、体温がどのくらいかによって対処が変わります。大きく見ると、微熱のときは見守りつつ水分をとらせ、熱がもっと上がれば赤ちゃんに合った解熱剤を相談して使い、接種部位が腫れたら冷やす、という流れです。一つずつ見ていきます。

接種後の体温の区間に応じて、観察と水分、解熱剤の相談、接種部位の冷却へと続く対処の順番を段階ごとに整理したインフォグラフィック

1. 37.5〜38℃、見守りつつ水分を

微熱程度なら、まずは体温をこまめに測りながら見守ります。1時間おきに測り直して上がり方の流れを見て、母乳やミルク、水など赤ちゃんが飲めるもので水分をいつもより多めにとらせてください。厚着させたり布団でくるみこむよりも、涼しく軽めに着せて熱が逃げるのを助けてあげるのがよいです。

2. 38℃以上、赤ちゃんに合った解熱剤を相談

熱が38℃を超えて赤ちゃんがつらそうなら、解熱剤の使用を考えられます。ただ、どの薬をどれだけ、何時間おきに与えるかは赤ちゃんの月齢と体重によって変わるため、自己判断で決めず小児科や薬剤師に相談して決めるのが安心です。解熱剤に関する注意点は赤ちゃんの安全に直結する部分なので、次のセクションにまとめて詳しく説明しています。

3. 接種部位が腫れたら冷やす

接種した所が赤く腫れて痛そうなら、清潔なタオルに包んだ冷たいものでやさしく当てる冷却が役立つことがあります。このとき腫れた所をこすったり、もんだりはしないでください。たいていは数日のうちにおさまる反応です。

解熱剤、これだけは必ず確認を

解熱剤は赤ちゃんの安全に直結する部分なので、いくつかは必ず覚えておくとよいです。ポイントは用量と間隔を自己判断で決めないこと、そして赤ちゃんの月齢に合った成分か確認することです。

生後6か月未満の赤ちゃんに、イブプロフェン系の解熱剤は医師の指示なく使わないようにしてください。この時期はアセトアミノフェン成分を中心に見ることが多いですが、これも赤ちゃんによって合う用量が違います。解熱剤の用量と与える間隔は赤ちゃんの月齢と体重をもとに決まるので、小児科や薬剤師の案内を受けて正確な量を確認してから使うのが安心です。特定の製品を自分で選んで使うより、相談して決めることをおすすめします。

もう一つ、接種前に熱が出るのを心配して、あらかじめ解熱剤を飲ませておくのはすすめられません。予防のつもりで飲ませることがワクチンへの免疫形成に影響するおそれがあり、たいていは必要でもありません。熱は前もって防ぐのではなく、実際に出たときに様子を見ながら対処するものと考えてください。

お風呂はどうでしょう。接種後もお風呂はだいたい可能と案内されています。接種部位を清潔に保ちつつ、強くこすらないようにだけ気をつければよく、赤ちゃんが熱でつらそうだったり調子が下がって見えるなら、無理に入れるより体調が戻ってからにしても大丈夫です。

接種部位が腫れたときはどうする?

接種した所が腫れて赤く、触ると痛がるのはよくある反応です。たいていは2〜3日のうちに自然によくなりますが、そのあいだ赤ちゃんが不快そうなら、いくつかの方法で助けてあげられます。

接種部位が腫れたときに、冷たいタオルで冷やす・こすらないなど、役立つ方法と避けたい行動を分けて整理したインフォグラフィック

清潔なタオルに包んだ冷たいもので接種部位を短時間ずつ当てると、腫れや痛みをやわらげるのに役立つことがあります。反対に、腫れた所を手でこすったりもんだりするのは避けてください。刺激になってかえって不快になることがあります。ただ、接種部位がとくにひどく腫れたり、浸出液や膿が出たり、時間がたっても引かずどんどん大きくなるようなら、正常な反応として流さず受診してください。

いつ受診すればいい?

いちばん気をもむのが「家で様子を見てよいのか、また受診すべきか」だと思います。接種後の熱はたいてい数日のうちにおさまる反応ですが、次のサインが見えたら、正常な反応として流さず受診または救急受診を受ける方が安心です。

39度以上の高熱・48時間以上の持続・けいれん・呼吸困難・全身のじんましん・生後3か月未満の発熱など、接種後すぐの受診が必要なサインを整理したインフォグラフィック
  • 39℃を超える高熱が出たり、熱が48時間以上続くとき。
  • よく飲めずぐったりしたり、起こしても反応が弱くいつもと明らかに違って見えるとき。
  • けいれんを起こしたり、呼吸が苦しそうなとき — すぐに救急受診が必要です。
  • 顔や唇が腫れ、全身にじんましんが広がるなどアレルギー反応が疑われるとき — ただちに受診してください。
  • 接種部位がひどく腫れて浸出液や膿が出るとき、または長く激しくぐずって泣きやまないとき。
  • 生後3か月未満の赤ちゃんが熱を出したときは、接種の反応かを考える前にすぐ受診してください。この時期の熱は、より低めのしきい値で見ます。

接種後の熱なのか、別の感染による熱なのか迷うこともあります。発熱をどんな目安で見て対処するかは、歯ぐずり?風邪?赤ちゃんの発熱の見分け方で38℃を目安に詳しく説明しているので、あわせて参考にすると役立ちます。

接種後の体温別の対処、ひと目で

体温の区間ごとにどう対処するとよいかを表にまとめました。ただし下は大きな方向をつかむための参考で、解熱剤の使用や受診の要否は赤ちゃんの状態によって変わるので、あいまいなら相談を受けてください。

体温・状態こう対処します
37.5〜38℃ 微熱1時間おきに体温確認、水分を十分に、涼しく軽めに着せる
38℃以上、つらそう月齢・体重に合った解熱剤を小児科・薬剤師と相談して使用
接種部位の腫れ・痛み清潔なタオルに包んだ冷却、こすらない
39℃以上・48時間持続正常な反応として流さず受診
けいれん・呼吸困難・全身のじんましんただちに救急受診
生後3か月未満の発熱原因を考える前にすぐ受診

よくある質問

接種して熱が出るのは正常?

接種後の熱は体がワクチンに反応して現れるよくある様子で、たいてい1〜2日のうちにおさまることが多いです。ただ39℃を超えたり2日以上続いたり、赤ちゃんがぐったりしたら正常な反応とだけ見るのは難しいので受診してください。赤ちゃんによって反応が違うので、あいまいなら相談をおすすめします。

熱が出るのを心配して、接種前に解熱剤を飲ませてもいい?

予防のつもりであらかじめ飲ませるのはすすめられません。ワクチンへの免疫形成に影響するおそれがあり、たいていは必要でもありません。熱は前もって防ぐより、実際に出たときに様子を見ながら対処するものと考えてください。

6か月の赤ちゃんですが、どの解熱剤でも使っていい?

いいえ。どの成分をどれだけ、何時間おきに与えるかは赤ちゃんの月齢と体重によって変わります。とくに生後6か月未満はイブプロフェン系を医師の指示なく使わないようにし、正確な用量は小児科や薬剤師と相談して決めるのが安心です。

接種してお風呂に入れてもいい?

接種後のお風呂はだいたい可能と案内されています。接種部位を清潔に保ちつつ、強くこすらないようにだけ気をつけてください。ただ赤ちゃんが熱でつらそうだったり調子が下がって見えるなら、無理せず体調が戻ってからにしても大丈夫です。

いつ何を接種するのかも知りたいです。

標準予防接種スケジュールと時期ごとに何を受けるかは、乳幼児の予防接種スケジュールをひと目でにまとめてあります。接種の前後で一緒に見ると準備に役立ちます。

最後にまとめると

接種後の熱と接種部位の腫れは、赤ちゃんの体がワクチンに反応して現れるよくある様子で、たいてい1〜2日のうちにおさまることが多いです。対処は、微熱なら見守りつつ水分をとらせ、38℃を超えてつらそうなら赤ちゃんに合った解熱剤を相談して使い、接種部位はこすらず冷やす、という順番で流れます。

何よりも、解熱剤の用量と間隔は月齢と体重をもとに決まるので自己判断で決めず相談して確認し、6か月未満の赤ちゃんにイブプロフェンは医師の指示なく使わないことを覚えておいてください。そして39℃を超える高熱、2日以上続く熱、けいれんや呼吸困難・全身のじんましん、生後3か月未満の発熱は、正常な反応として流さず受診が必要なサインです。赤ちゃんによって違うので、あいまいなときは一人で判断するより小児科に相談するのがいちばん心強い方法です。