赤ちゃんの脱水、おうちで確認する方法:おむつ・おしっこ・涙・大泉門でチェック

赤ちゃんが脱水かどうか、おうちでどう分かるでしょう?おしっこ・おむつ、くちびる、涙、大泉門、皮膚の張り、手足まで、確認ポイントごとに見る方法と、すぐ受診すべきサインを公的な健康情報にもとづいてまとめました。

真夏や、赤ちゃんが下痢・嘔吐をしているときは「もしかして脱水かも」という心配がふと湧いてきますよね。でも、いざ受診するほどなのか、もう少し様子を見てもいいのか判断がつかず、気持ちだけ焦ってしまうものです。

おうちで親が見られる脱水のサインはいくつかあります。おしっこがどれくらい出ているか(おむつ)、くちびるや口の中が乾いていないか、泣くときに涙が出るか、小さな赤ちゃんなら大泉門の形、皮膚の張り、そして手足と元気さです。1つだけで判断するより、こうしたサインを複数まとめて見ることが大切です。

先にひとつお伝えしておきます。赤ちゃんによって普段のおしっこの量やコンディションは差があるので、この記事のサインは「確認してみるポイント」であって、自分で診断を下す基準ではありません。サインが複数重なったり、赤ちゃんがぐったりしているなら、おうちで様子を見るより小児科を受診するほうが安心です。確認ポイントをひとつずつ見ていきましょう。

大人の腕に抱かれている赤ちゃん

おうちで見られる脱水のサインは何でしょう?

脱水は、体から出ていく水分が入ってくる量より多いときに起こります。だからおうちで確認する方法も、ほとんどが「体の水分が足りないときに外に表れる変化」を見るものです。おしっこが減り、粘膜(口・目)が乾き、皮膚や元気さが落ちる、といった具合です。

まず最初に注目したいサインはおしっこの量です。おしっこが目に見えて減ったり色が濃くなったり、おむつが普段より長く乾いたままなら、脱水に気づく初期サインになることがあります。ここにくちびるの乾きや涙の減少、ぐったりといったサインまで重なると、それだけ重みが増します。サイン1つひとつよりいくつが一緒に見えるかのほうが大切だと覚えておくとよいでしょう。

赤ちゃんの脱水をおうちで確認する6つのポイント(おしっこ・おむつ、口・くちびる、涙・目、大泉門、皮膚の張り、手足・元気)をまとめたチェックカード

確認ポイントをひとつずつ見ていきましょう

1. おしっこ・おむつ — まず最初に見るサイン

脱水にいちばん早く気づけるポイントがおしっこです。普段よりおしっこの量が減り、色が濃い黄色になり、においが強くなっていないか見てみましょう。おむつを長く替えなくなり、だいたい6時間を超えておむつがずっと乾いたままなら、水分が足りていないサインのことがあります。

「おしっこは少しは出ているから大丈夫」と流してしまいがちですが、量と色、回数を一緒に見る必要があります。濃くてまれにしか出ないなら、まったく出ていないわけではなくても注目すべきポイントだからです。おむつを替えた時刻とおしっこの有無をその都度メモしておくと、何時間出ていないかの変化にずっと早く気づけます。

写真準備中: 赤ちゃんのおむつを替えながら様子を確認する手

2. 口・くちびる — 乾いてねばついていないか

くちびるや口の中の粘膜は、体の水分状態が比較的よく表れる場所です。くちびるが荒れたり乾いたり、口の中が潤わずねばつく感じがしないか見てみましょう。普段は唾液で潤っている口の中が乾いているなら、ほかのサインと一緒に見てみる価値があります。

3. 涙・目 — 泣いても涙が少ないか

赤ちゃんが泣くとき、涙が普段より少ないかほとんど出ないか、目がくぼんで見えないか確認してみましょう。普段は激しく泣くと涙がいっぱいになる赤ちゃんが涙なく泣いてぐったりしているなら、注目すべきサインです。ただし新生児の時期はもともと涙が少ないことがあるので、このサインもほかのものと重ねて見るときに意味が大きくなります。

4. 大泉門 — 小さな赤ちゃんだけに当てはまります

頭の前のほうに、まだ柔らかく開いている部分を大泉門といいます。脱水があると、この部分が普段よりくぼんで見えることがあります。赤ちゃんを立てて抱いた姿勢でやさしく見てみましょう。

ここで2つは必ず覚えておいてください。大泉門はたいてい1歳ごろから徐々に閉じていくので、まだ大泉門が開いている小さな赤ちゃんだけに当てはまるサインです。月齢が大きい子にはこの方法は合いません。そして手で強く押したりこすったりせず、目で見る程度にとどめてください。

5. 皮膚の張り — つまんで離したとき

おなかや太ももの皮膚を指で軽くつまんで離してみましょう。水分が十分なら皮膚はすぐ元に戻りますが、脱水があるとゆっくり戻り、跡が少し残ることがあります。このときも強くつままず、軽く確認する程度で大丈夫です。

6. 手足・元気 — ぐったりして反応が減っていないか

手足がやけに冷たくまだらに見えたり、赤ちゃんが普段よりぐったりしてあまり遊ばず反応が減っていないか見てみましょう。呼吸や心拍が速くなる感じがすることもあります。「手足が冷たいから寒いのかな」と流してしまいがちですが、ほかのサインと一緒なら、水分・循環が落ちたサインのことがあります。

サインが1つのときと、複数重なるとき

ここまで確認ポイントを見てきたら、次は「では今はどのくらいなのか」が気になりますよね。正確な程度(軽症・中等症・重症)は結局のところ受診で判断する領域ですが、おうちで重みを見積もる目安は比較的シンプルです。サインが1つ2つ程度で、赤ちゃんがよく遊びよく食べているなら、もう少し様子を見ながら水分をこまめに与えられる状況のことがあります。反対に複数のサインが一緒に表れたり、ぐったりして意識がはっきりしないなら、それだけ重みが増す状況なので受診が必要です。

だから1つのサインにこだわるより、全体の絵を見ることが大切です。おしっこが減ったうえにくちびるも乾き、涙もなくぐったりしているなら、「大丈夫だろう」と先延ばしにするより小児科で確認してもらうほうが安心です。赤ちゃんのコンディションは数時間のうちにも変わるので、はっきりしないときは様子を見るより聞いてみるほうを選んでください。

確認ポイントを一目でまとめると

おうちで見られるサインを表にまとめてみました。あくまで「正常か異常か」を分ける診断表ではなく、普段と比べて注目すべき変化を整理したものと見てください。

確認ポイント注目すべき変化参考
おしっこ・おむつおしっこの量が減る、色が濃くなる、おむつが6時間以上乾くまず最初に見る初期サイン
口・くちびるくちびる・口の中が乾いてねばつく唾液で潤っていた口の中を確認
涙・目泣いても涙が少ないか出ない、目がくぼむ新生児はもともと涙が少ないことも
大泉門普段よりくぼんで見える大泉門が開いた小さな赤ちゃんのみ、強く押さない
皮膚の張りつまんで離すとゆっくり戻るおなか・太ももで軽く確認
手足・元気手足が冷たくまだら、ぐったりして反応↓ほかのサインと一緒に見ると意味

親がよく迷うポイント

確認ポイントを知っていても、いざ見るときには迷う瞬間があります。いくつかだけ先に押さえておきましょう。

まず「おしっこは出ているから大丈夫」という判断です。少し出ていても、量が少なく色が濃くまれなら、まだ注目すべきサインです。出るか出ないかより普段とどれくらい違うかが肝心だからです。

「手足が冷たいのは寒いから」というのもよくある誤解です。室内が暖かいのに手足が冷たくまだらで、赤ちゃんがぐったりしているなら、単に寒いのではなく水分・循環が落ちたサインのことがあります。

大泉門もよく誤解が生まれる部分です。大泉門の陥没は大泉門がまだ開いている小さな赤ちゃんだけに当てはまります。1歳を過ぎて大泉門が閉じた子にこの方法を当てはめようとしても合いません。

脱水は原因と一緒に見るとより見えやすくなります。夏の暑さや下痢・嘔吐が続くときは特に水分が抜けやすいのですが、胃腸炎と脱水をめぐるよくある誤解は胃腸炎のときの脱水、これだけは誤解しないでで別にまとめました。嘔吐が繰り返すときの原因の見方はミルクの赤ちゃんが何度も吐くとき、原因を見てみるを、猛暑から赤ちゃんを守る方法は夏のベビーカー暑さ対策チェックリストを参考にしてみてください。

こんなサインが見えたらすぐ受診してください

下のサインは、おうちで様子を見るよりすぐに受診・救急を考えるべき場合です。複数の確認ポイントが重なって出るときだけでなく、下のうち1つでもはっきりしていれば急いでください。

赤ちゃんの脱水ですぐ病院に行くべき危険サイン(8時間以上おしっこなし、ぐったりして目を覚まさない、涙なくぐったり、嘔吐を繰り返す、けいれん・意識低下)をまとめたカード
  • 8時間を超えておしっこが出ない、またはおむつがずっと乾いている
  • ぐったりして目を覚まさない、または涙なく力なくぐったりしている
  • 嘔吐を繰り返す(特に緑色の胆汁や血が混じっているとき)
  • けいれんを起こす、または意識がはっきりしない
  • 手足が冷たくまだらで、呼吸・心拍が速くなる

特に生後3か月未満の赤ちゃんは状態が急に悪くなることがあるので、上のサインが少しでも見えたら、より低いハードルで急いで受診するほうが安心です。判断があいまいでも「はっきりしないなら聞いてみる」を基準にしてください。脱水は早めに気づいて対処するほど回復がスムーズなことが多いです。

よくある質問

おしっこは少し出ているのに脱水のことがありますか?

はい、そのことがあります。量が少なく色が濃く出る間隔が長いなら、おしっこが完全になくなっていなくても注目すべきサインです。出るかどうかだけでなく、普段と比べた量・色・回数を一緒に見てください。

大泉門がくぼんだ気がするのですが脱水ですか?

大泉門の陥没は脱水のサインのひとつのことがありますが、それだけで決めつけるのは難しいです。大泉門がまだ開いている小さな赤ちゃんだけに当てはまり、手で強く押さず目だけで見てください。ほかのサイン(おしっこの減少・くちびるの乾き・ぐったり)と重なるなら、受診してみるのがよいでしょう。

夏に汗をたくさんかくと脱水になりやすいですか?

暑い天気では汗でも水分が抜けやすくなります。特に赤ちゃんが下痢・嘔吐を一緒にしていたり、あまり食べないときに重なると、水分不足が早まることがあります。涼しくしてあげて水分をこまめに少しずつ与えつつ、ぐったりしたりおしっこが大きく減ったら受診してみてください。

おうちで水や飲み物を与えればいいですか?

軽い場合は水分をこまめに少しずつ与えるのが役立つことがあります。ただし「何を」与えるかは月齢によって異なります。特に生後6か月未満の赤ちゃんに真水をたくさん与えるのは、かえって体内のバランスを崩して危険なことがあるので、この時期は母乳やミルクを普段どおりこまめに与えるのが基本です。イオン飲料やジュース、手作りの塩水を自己判断で与えるのもおすすめしません。経口補水液(電解質液)が必要か、どう与えるかは小児科の案内を受けるほうが安心です。小さな赤ちゃんだったり嘔吐がひどいほど、なおさらそうです。

新生児はもともと涙が少ないと聞きましたが、では涙では確認できないのですか?

新生児の時期は涙腺が十分発達しておらず、もともと涙が少ないことがあります。だから涙ひとつだけで判断するより、おしっこ・くちびる・元気さといったほかのサインと一緒に見てください。

最後にまとめると

おうちで赤ちゃんの脱水を確認する方法は、おしっこ・おむつ、口・くちびる、涙・目、大泉門、皮膚の張り、手足・元気を見ることです。なかでもおしっこが減っておむつが長く乾いた状態がまず最初に見るサインで、1つより複数のサインが重なるほど重みが増します。

何より、これらのサインは自分で診断を下す基準ではなく「確認してみるポイント」です。赤ちゃんによって普段の状態は差があるので、複数のサインが重なったり赤ちゃんがぐったりしているなら、様子を見るより小児科を受診してください。8時間を超えておしっこが出ない、ぐったりして繰り返す嘔吐・けいれん・意識低下があればすぐ病院へ、生後3か月未満はより急いで確認するほうが安心です。