0〜12か月 赤ちゃんの発達の目安、月齢別に一目でわかる地図
0〜12か月の発達の目安を、粗大運動・微細運動・ことば・認知・社会性と情緒の5領域に分けて月齢別の総合表にまとめました。平均であり範囲で試験ではないこと、個人差や確認が必要なサインまで盛り込みました。
赤ちゃんが日に日に成長していくのを見ていると、「今このくらいで普通なのかな」という疑問がいつもついてきます。となりの赤ちゃんと比べてしまったり、ネットで見た月齢別の表にわが子を当てはめて焦ってしまったり。
まず全体像からお話しします。赤ちゃんの発達は大きく5つの領域に分けて見ます。粗大運動、微細運動、ことばとコミュニケーション、認知、そして社会性と情緒です。0〜3か月から10〜12か月まで、月齢ごとのおおよその流れもあります。ただしこの流れは、きっちり決まった正解表ではありません。多くの赤ちゃんがその年齢までにできるようになることの平均であり、かなり広い範囲だと考えてください。
下に、5つの領域を月齢ごとに一枚にまとめた総合表を用意しました。わが子の月齢に当たる行をまず見ていただき、時期は試験ではなく広い範囲として捉えてください。ひとつふたつの項目が少し早くても遅くても、発達が優れている・遅れているというわけではありません。
発達の目安は、5つの領域に分けると分かりやすい
発達の目安は、米国疾病予防管理センター(CDC)やさまざまな小児科の資料で、大きく5つの領域に分けて説明されています。それぞれの領域が何を見ているのかを知っておくと、月齢別の表がぐっと読みやすくなります。
- 粗大運動: 首すわり、寝返り、おすわり、立っちのように、体幹や手足の大きな筋肉を使う動きです。
- 微細運動: 手で物をつかむ、移す、つまむといった、手と指の細かな動きを指します。
- ことばとコミュニケーション: クーイングや喃語、初語のように、声を出してやりとりする力です。
- 認知: 物を目で追い、いないいないばあに反応し、簡単な指示が分かる、考える力です。
- 社会性と情緒: 目が合う、ほほえむ、人見知りのように、人と関わり気持ちを通わせる部分です。
5つの領域はばらばらに育つのではなく、互いに関わり合いながら伸びていきます。だからひとつの領域だけを取り出して心配するより、全体の流れを一緒に見るほうが気持ちが楽になります。
0〜12か月の発達の目安、月齢別に一目で
一枚にまとめるとこうなります。5つの領域が0〜3か月から10〜12か月までどうつながるかを収めた総合表です。わが子の月齢に当たる行を見つけて、横に5つの領域を見渡してみてください。
| 月齢 | 粗大運動 | 微細運動 | ことばとコミュニケーション | 認知 | 社会性と情緒 |
|---|---|---|---|---|---|
| 0〜3か月 | うつぶせで頭を少しずつ持ち上げ始めます | 手を開いて握り、自分の手をじっと見ます | クーイングと泣きで気持ちを表します | 音や顔を目で追います | 生後6〜8週ごろ、初めての社会的なほほえみが出て目が合います |
| 4〜6か月 | 首がすわり、寝返りを始めます | 物に向かって手を伸ばしてつかみます | 喃語が始まり、声を出して笑います | 物を口で確かめ、落とした物を目で追います | なじみの顔に反応し、鏡に興味を示します |
| 7〜9か月 | ひとりで座り、はいはいを始めます | 片手からもう片方の手へ物を持ち替えます | ままま、バババのような子音の喃語が増えます | いないいないばあに反応し、物の永続性が芽生え、名前が分かります | 人見知りや後追いが現れ始めます |
| 10〜12か月 | つかまり立ちをして、あんよの準備をします | 親指と人差し指で小さな物をつまみます | ママ、パパのような意味のある初語が出ます | 簡単な指示が分かり、パチパチやいないいないばあで遊びます | 大人をまねて、手を振ってバイバイをします |
表を見ると、体を支える力が定まるにつれて、手やことば、人との関わりも一緒に広がっていく流れが見えてきます。ただし同じ行の中でも、ある項目は少し早く、ある項目は少し遅く現れるのが自然です。この表はわが子を採点する表ではなく、これからどんな変化が続くかを前もって描く地図として見てください。
月齢ごとにもう少し見てみましょう
表だけでは少し物足りないので、月齢ごとにどんな時期かを短く添えます。順序や速さは赤ちゃんによって異なるので、おおよその流れとして読んでください。
1. 0〜3か月、世界に目を合わせる時期
うつぶせで頭を少し持ち上げることから、体の使い方が始まります。音のするほうへ目を向け、6〜8週ごろには人を見て初めてにっこり笑ってくれることもあります。首すわりがどんな段階で完成していくかをもっと詳しく見たい方は、首すわりと寝返りの時期を月齢別にまとめた記事を参考にしてみてください。
2. 4〜6か月、手を伸ばして世界に触れる時期
首がだいぶ安定して、寝返りが始まります。目に見える物に向かって手を伸ばしてつかみ、なんでも口に持っていって確かめます。喃語が増え、声を出して笑う姿もよく見られます。
3. 7〜9か月、自分で移動して人を選ぶ時期
ひとりで座り、ずりばいやはいはいで行きたい所へ近づき始めます。手に持った物を反対の手に持ち替え、まままのような子音の喃語が増えます。このころ人見知りや後追いが現れますが、これはなじみの人と知らない人を見分けられるほど認知が育ったサインでもあります。
4. 10〜12か月、初語と初めの一歩を準備する時期
家具につかまって立ち、あんよの準備をします。親指と人差し指で小さな物をつまむ動きが上手になります。ママ、パパのような意味のある初語が出て、パチパチやバイバイのしぐさで気持ちを通わせることもあります。ことばがどう育つかは、姉妹記事の赤ちゃんのことばの発達を月齢別にまとめた記事にもっと詳しくまとめています。
目安は平均であり範囲です。試験ではありません
発達の目安でいちばん誤解されやすいのがここです。表に書かれた時期は、多くの赤ちゃんがその年齢までにできるようになることの平均であって、その日までに必ずやり遂げなければならない締め切りではありません。だからひとつふたつの項目が少し早くても遅くても、広い正常範囲の中であることが多いです。
同じ月齢でも、ある赤ちゃんはもうはいはいしていて、ある赤ちゃんはまだおすわりを覚えている途中です。生まれた週数、気質、体重、ふだんどんなふうに遊んできたかなど、さまざまな要因がそれぞれ違うふうに働くからです。目安を早く通過したからといって後で優れているわけでも、少し遅いからといって遅れているわけでもありません。
もうひとつ、予定日より早く生まれた早産児の場合は、暦の月齢ではなく本来の予定日を基準にした修正月齢で見てください。2か月早く生まれたなら、生後6か月でも発達は4か月の赤ちゃんの流れで見守るのが合っていて、暦の月齢だけで比べるとかえって焦りやすくなります。
こんなときは小児科や乳幼児健診で相談を
発達は範囲が広いぶん、少し早い・遅いはたいてい心配のいらないことが多いです。ただし次のようなサインが見られるときは、自己判断せず小児科や乳幼児健診で相談してみるのがよいでしょう。
- ひとつの領域だけでなく、複数の領域がそろって同月齢の子よりはっきり遅れているように感じるとき
- これまでできていた行動や喃語が、ある時から出なくなってしまったとき
- 体が極端に硬い、または反対にぐったりと力なく垂れているとき
- 体の片側だけをよく使う、あるいは6か月を過ぎても目が合いにくいとき
日本では乳幼児健診で発達の様子を一緒に確認してもらえます。米国疾病予防管理センターも、小児科に行くときに発達のチェックリストを一緒に見ながら相談することをすすめています。発達が気になるとき、どんなサインを見て、いつ受診するとよいかは、発達がゆっくりに感じるとき、受診の目安をまとめた記事でもっと詳しく扱っています。
目安は記録に残すと、流れが見えてきます
初めての寝返り、初めてのおすわり、初めのことばのように、初めてできた瞬間は、過ぎてしまうと「あれはいつだったかな」とあいまいになりがちです。そのつど日付を書き留めておくと、あとでわが子だけの発達の流れを振り返るのにもよく、健診でいつから何ができたかを話すときにも便利です。
こうした節目の瞬間をすくすくぱしゃに写真とともに成長記録として残しておくと、月齢ごとの発達を一か所で振り返ることができ、離れて暮らす祖父母や家族も、赤ちゃんが初めて座った姿を見て一緒に喜ぶことができます。
よくある質問
ひとつの領域だけ少し遅い気がします。問題でしょうか?
領域ごとに伸びる速さが違うので、ひとつの領域が少し遅いこと自体はよくあることです。ほかの領域がよく育っているなら、たいてい広い範囲の中ですが、複数の領域がそろって遅れているように感じたり、心配が続いたりするなら、乳幼児健診や小児科で相談してみてください。
目安を順番どおりにすべて通過しないといけませんか?
必ずしもそうではありません。ある赤ちゃんはずりばいをほとんど飛ばしてはいはいやおすわりに進んだり、順序が少し入れ替わったりします。それぞれ楽な方法で体を使う過程なので、順序が違うこと自体を心配する必要はありません。
早産児で、同月齢の子より遅いのが心配です。
予定日より早く生まれた赤ちゃんは、暦の月齢ではなく修正月齢で見てください。本来の予定日を基準に月齢を数え直してその流れで見守ると、たいてい時間とともに追いついていくことが多いです。
発達のチェックリストはどこで確認できますか?
定期の乳幼児健診で発達の様子を確認してもらえます。米国疾病予防管理センターも月齢別の発達チェックリストを提供しているので、小児科に行く前に見ておいて気になる点を書いて持って行くと、相談がぐっとスムーズになります。
発達を助けるには何をしてあげるとよいですか?
特別な道具は必要ありません。目を合わせて話しかけ、安全な環境で思いきり動いて触れさせてあげる、日常のやりとりがいちばんの助けになります。うつぶせ遊びのように体を使う遊びを短く何度も取り入れるとよいでしょう。
最後に整理すると
0〜12か月の発達は、粗大運動、微細運動、ことばとコミュニケーション、認知、社会性と情緒の5領域が互いに関わり合いながら育つ過程です。0〜3か月に頭を上げて目を合わせることから始まり、4〜6か月で寝返りし手を伸ばし、7〜9か月で座りはいはいし、10〜12か月で立って初語が出るという大きな流れがあります。
何より、この表は採点表ではなく地図だということを覚えておいてください。時期は平均であり広い範囲で、早い・遅いは優劣ではありません。早産児なら修正月齢で見て、複数の領域がそろって遅れたり心配が続いたりするときは、乳幼児健診や小児科での相談で確認すると、ぐっと安心できます。