手足口病はいつまでうつる?|登園の目安と家族・きょうだいへの感染を防ぐ方法
手足口病がいつまでうつるのか、保育園にはいつから再び通えるのか、家庭できょうだいや下の子にうつさない方法までまとめました。「もう治ったからうつらない」というよくある誤解や、受診が必要なサインも押さえます。
子どもが手足口病にかかると、つらそうなのも心配ですが、すぐにもう一つの問いがついてきます。「これ、いつまでうつるの? 保育園はいつからまた行かせていいの? 下の子にうつったらどうしよう?」とくに家に下の子や新生児がいると、気持ちがいっそう落ち着かなくなりますよね。
まず大きな流れから短くお答えすると、こうです。手足口病は発症の最初の一週間にいちばんうつりやすく、見た目の症状が消えたあとも、便を通して数週間ウイルスが出ることがあります。そのため「もう治ったみたい」と思える時期でも、手洗いなどの衛生はしばらく続けるのがよいです。登園の時期は「ちょうど何日」と言い切るのがむずかしく、子どもの様子と、通う施設・かかりつけの医師の案内をあわせて見て決めていくことになります。
以下で、うつる期間と経路、登園を見きわめる目安、そして家庭で家族にうつさない方法を一つずつ解いていきますね。子どもによって回復のペースは違うので、ここの内容は時期の見当をつける参考としてご覧いただき、正確な判断は診てくれた先生におまかせください。
手足口病は、いつまでうつりますか?
いちばん気になるところからお答えします。手足口病は症状が出はじめた最初の一週間ごろに、いちばんうつりやすいです。熱が出て口の中が荒れ、手足に水ぶくれが出るこの時期が、ウイルスがもっともさかんに広がるときです。ですからこの期間は、ほかの子どもとの接触を減らすことがとくに大切です。
問題はそのあとです。熱が下がり水ぶくれがふさがって、見た目には治ったように見えても、ウイルスは便を通して数週間出つづけることがあります。回復したあとも、おむつを替えたりトイレに行ったりしたあとの手洗いをおろそかにすると、そのあいだに家族にうつることがある、ということです。「もう治ったから大丈夫だろう」と衛生を手放しやすい、まさにその時期こそ、かえって油断しやすい区間なのです。
まとめると、うつる期間は「最初の一週間が最高、その後じょじょに減るが、便ではしばらく続く」という流れです。ですから「いつから絶対にうつらない」と日づけで区切るより、症状の強い初期はできるだけ接触を減らし、回復後も手指衛生をしばらく続けるほうが安心です。
手足口病は、どうやってうつりますか?
うつるのを防ぐには、どの経路でうつるのかを知ると対処がらくになります。手足口病のウイルスは、大きく三つの道で広がります。
- 呼吸器の分泌物:病気の子のだ液・鼻水・たんが、せきやくしゃみで飛んだり、コップ・タオル・おもちゃについてうつります。
- 水ぶくれの浸出液:手足や口の中の水ぶくれが破れて出る浸出液にウイルスがいます。それを触った手で目・鼻・口を触るとうつることがあります。
- 便:回復後もしばらく便からウイルスが出ます。おむつを処理したあとの手洗いがとくに大切なのは、ここに理由があります。
三つの経路はどれも、結局は病気の子の分泌物が別の人の手や口に入る形です。ですから予防もシンプルです。手をこまめに、きちんと洗い、だ液や浸出液がつきそうな物を分け合わない、ということです。手足口病は予防ワクチンがないぶん、衛生管理が事実上いちばん確実な予防法です。
保育園・幼稚園には、いつからまた行かせられますか?
ここがいちばん迷うところです。結論からいうと、「ちょうど何日」という決まった数字より、子どもの状態と、施設・医師の案内をあわせて見て決めるのが原則です。症状が残っているあいだは、登園や外出をひかえるのが基本です。
家庭で回復を見きわめるときに、よくあわせて見るサインはこんなものです。
- 熱が下がり、一日以上安定して保たれているとき
- 口の中のかいようがふさがって、だ液を飲みこむのが楽になり、また食べられるようになったとき
- 手足の水ぶくれがふさがって、浸出液が出なくなったとき
- 子どもの様子が全体に戻り、ふだんどおりに動けるようになったとき
ただし、これらのサインがすべて見えても、さきほど述べたように、便ではしばらくウイルスが出ることがあります。ですから登園を再開しても、手洗いなどの衛生は続けるのがよく、なにより通う施設の方針と、かかりつけの医師の案内を優先して従ってください。施設ごとに登園再開の基準は少しずつ違いますし、子どもの状態を直接見た先生の判断がいちばん正確だからです。
家庭で家族・きょうだいにうつさないために
一人がかかると、いちばん心配なのがきょうだい、そして親にまで広がることです。完全に防ぐのはむずかしくても、下のポイントを守れば、うつる可能性をかなり下げられます。とくに手洗いと物を分けることが要です。
| 予防のポイント | こうしてください |
|---|---|
| 手洗い | おむつ・排便の処理後、食事・授乳の前、鼻をかんだりだ液をふいたりしたあとに、せっけんで30秒以上。いちばん大切な一つです。 |
| タオル・食器を分ける | 病気の子のタオル・コップ・食器・歯ブラシは別に使い、食べ物・飲み物を分け合わない。 |
| 表面・おもちゃの消毒 | よく触るおもちゃ・ドアノブ・食卓をこまめに拭く。だ液や浸出液がついた物はとくに。 |
| だ液・浸出液に注意 | 水ぶくれの浸出液やだ液が手につかないようにし、ついたらすぐ手洗い。キス・口づけはひかえる。 |
| 下の子との接触を減らす | 下の子・新生児がいるなら、病気の子との密な接触やキスを減らし、赤ちゃんを触る前の手指衛生を徹底する。 |
下の子や新生児がいっしょに暮らす家庭は、とくに気をつけてください。まだ小さい赤ちゃんは症状が違って出ることがあり、状態が急に変わることもあるので、きょうだいからうつらないように接触を減らし、手指衛生を徹底することが、なによりも大切です。新生児が手足口病にかかったときに、どんな点を見ればよいかは、新生児も手足口病にかかる? 気をつけたいことで、より詳しくまとめてあります。
そしてもう一つ付け加えると、手足口病は子どもだけの病気ではありません。大人も感染し、ほかの人にうつすことがあります。病気の子を看病する親自身も手指衛生に気を配ることが、家族全体のうつりを減らすのに役立ちます。
「もう治ったからうつらない」という誤解、押さえておきます
親御さんがいちばんよく迷うところなので、別にまとめておきます。水ぶくれがふさがり、熱も下がると、「もう完全に治ったから、うつす心配はないだろう」と思いやすいものです。でも前で見たように、見た目の症状が消えたあとも、便ではウイルスが数週間出ることがあります。見た目に治った時期と、うつさなくなる時期は、ぴったり一致するわけではないのです。
ですから子どもが治ったように見えても、おむつを替えたりトイレに行ったりしたあとの手洗いは、しばらくよりいっそう気を配るのがよいです。「症状がない=もううつらない」ではない、ということだけ覚えておけば、回復期にきょうだいやほかの子にうつす場面を減らせます。
こんなときは、早めに受診してください
手足口病は、たいてい大きな問題なく過ぎることが多いですが、下のサインが見えたら、ためらわず受診してください。この項目だけは別に覚えておいていただければ大丈夫です。
- 高い熱が続いたり、なかなか下がらないとき
- 水を飲みこむのをつらがり、尿が目に見えて減って脱水が疑われるとき
- くり返し吐いたり、ぐったりして反応が鈍いとき
- 口が痛くて、食べることも飲むこともうまくできないとき
とくに生後3か月未満の小さな赤ちゃんは、熱があるだけでも早めに受診するのが安心です。小さな赤ちゃんは状態がすぐに変わることがあるので、熱が上がったら、ほかの症状を待つより早めに病院を受診するのがよいです。下の子がいる家庭なら、この点をとくに心にとめておいてください。
よくある質問
Q. 手足口病は、一度かかればもうかかりませんか?
残念ながら、また かかることがあります。手足口病を起こすウイルスは一種類ではなく複数あるので、別のウイルスにまた感染すると、また かかることがあるのです。一度治ったからと安心するより、流行の時期には手指衛生を続けるのがよいです。
Q. 大人も子どもからうつりますか?
はい、大人もうつることがあります。ただ、症状が軽く過ぎたり、見た目にはっきり出なかったりすることもあります。症状が軽くても、ほかの人にうつすことがあるので、子どもを看病するあいだは手洗いと物を分けることをあわせて守ってください。
Q. 回復したあとに手足のつめが はがれることもあると聞きましたが、大丈夫ですか?
手足口病をわずらってから数週間ほどして、手や足のつめが はがれることがあります。たいていは時間がたてばまた生えてきますが、子どもが痛がったり、まわりが腫れて悪化する感じがあれば、受診して確かめてみてください。
Q. きょうだいが いっしょにかからないように、いっそ部屋を別にするべきですか?
家の間取りの都合で、完全に分けるのがむずかしいことは多いものです。部屋を別にするのがむずかしいなら、タオル・食器・コップを分け合わず、おもちゃやよく触る表面をこまめに拭き、手洗いを徹底するだけでも、うつる可能性を下げられます。
最後にまとめると
手足口病は、発症の最初の一週間にいちばんうつりやすく、症状が消えたあとも便で数週間うつすことがあります。ですから「もう治ったからうつらない」とは見なしにくく、回復後も手洗いなどの衛生はしばらく続けるのがよいです。登園は「ちょうど何日」と決めるより、熱が下がり、口の中のかいようが治って よく食べ、水ぶくれがふさがって様子が回復したかを見て、施設・かかりつけの医師の案内に従って決めてください。家庭では手洗いと物を分けることがうつりを防ぐ要で、下の子がいるなら接触を減らし、手指衛生をよりいっそう徹底してください。高い熱が続いたり、脱水・嘔吐・ぐったりといったサインがあれば、とくに生後3か月未満なら、熱があるだけでも急いで受診してください。