新生児も手足口病にかかりますか|生後100日未満がより注意すべき理由と受診のタイミング

上の子がもらってきた手足口病、生後100日にならない下の子もかかるか心配ですよね。新生児もかかることがあり、生後3か月未満は発熱だけでもすぐ受診するのが原則です。大きい子との違いと、受診のサインを整理しました。

新生児も手足口病にかかりますか|生後100日未満がより注意すべき理由と受診のタイミング

上のお子さんが保育園から手足口病をもらってきたのに、まだ生後100日にもならない下の子がそばにいると、親の心はひやりと沈みますよね。こんなに小さな赤ちゃんもかかるのだろうか、かかったら大変なことにならないだろうかと、まず検索してしまうものです。

先に事実だけお伝えすると、新生児や小さな乳児も手足口病にかかることがあります。多くは保育園に通うきょうだいや大人の唾液・鼻水、水疱のうみ、便を通してうつってくるからです。ただ、大きい子の手足口病と同じに考えてはいけません。生後1か月(長くて3か月)未満の赤ちゃんは、熱が出ること自体が一つの警告サインなので、家で経過を見守るのではなく、発熱だけでもすぐに受診するのが原則です。

この記事では、小さな赤ちゃんが手足口病にどうやってかかるのか、大きい子と何が違うのか、そしていつためらわず病院へ行くべきかを、順を追って整理しました。

新生児も手足口病にかかります、多くはきょうだいや大人を通して

まだ外出もほとんどしないのにどうやってかかるのかと思いますが、手足口病は家の中で人を通してうつってきます。ですから赤ちゃんが外に出ないからといって、安心できる病気ではありません。

手足口病は、コクサッキーウイルスやエンテロウイルスといった腸のウイルスに感染して起こる病気です。患者の呼吸器の分泌物(唾液・鼻水・たん)、水疱から出るうみ、便を通してほかの人にうつっていきます。保育園や幼稚園に通うきょうだい、症状が軽くて本人も気づかず通り過ぎる大人が、よくある感染経路です。赤ちゃんを抱っこする来客を通してうつることもあります。つまり、外出をほとんどしない新生児でも、家族の中で十分にかかりうるのです。

かごのクッションに包まれて眠る生後100日ごろの下の子のそばを、上の子が見守る様子

大きい子の手足口病と何が違うのでしょうか

大きい子にとって手足口病はありふれた、多くは軽く経過する病気です。けれど小さな乳児、とくに生後100日未満の赤ちゃんは、向き合い方を変える必要があります。免疫がまだ未熟で症状が典型的でない形で現れることもあり、まれに重い経過をたどることがあるからです。

大きい子と小さな乳児の手足口病への向き合い方の違いをまとめた図

変わってくる点は、大きく三つです。

まず、症状が典型的でないことがあります。大きい子は手・足・口の水疱が目立つ形で先に現れますが、小さな乳児は水疱よりも発熱・ぐったり・飲みが悪いことが先だったり、より目立ったりしがちです。手足口に水疱が出てくるのを待つうちに受診のタイミングを逃さないことが大切な理由です。

ほかの感染と見た目で区別しにくいという点もあります。小さな乳児の発熱、ぐったり、授乳の拒否は、手足口病によるものなのか、それとも敗血症のような細菌感染によるものなのか、見た目だけでは見分けにくいのです。ですからこの月齢では、原因を確かめる検査が必要になることがあります。

最後に、まれではありますが重症になりうることです。エンテロウイルス(とくにEV71や一部のコクサッキーウイルス)は、ごくまれに髄膜炎・脳炎・心筋炎といった合併症を起こすことがあります。小さいほど、とくに生後はじめの数週間はより注意が必要です。

項目大きい子(幼児以上)小さな乳児(とくに生後100日未満)
よくある初発症状手・足・口の水疱、微熱発熱・ぐったり・飲みが悪いことが先のことも
多くの経過対症ケアで多くは1週間前後に回復経過を医療者とともに見守る必要
発熱への対応様子を見ながら対症ケア発熱自体が受診のサイン(とくに3か月未満)
基本の向き合い方家でのケア中心ハードルを下げて早めに受診

なぜ小さな乳児は発熱だけでもすぐ受診すべきなのでしょうか

生後3か月(とくに1か月)未満の赤ちゃんが38度以上の熱を出したら、原因が手足口病であってもなくても、それ自体が緊急に評価すべき対象です。これは怖がらせるための言葉ではなく、この月齢で通用している受診の原則です。

この時期の赤ちゃんは免疫がまだ未熟で、軽そうに見えた感染が短い時間で急速に広がることがあります。さらに、熱の原因が手足口病なのか、それとも敗血症・髄膜炎・尿路感染のような細菌感染なのかは見た目で区別しにくく、血液・尿検査などで確かめる必要がある場合が多いのです。ですから、大きい子にするように解熱剤を飲ませて家で一日二日様子を見るやり方は、この月齢には合いません。水疱がまだなくても、生後100日にならない赤ちゃんが熱を出したら、その事実だけで小児科や救急を受診するのが安心な選択です。

こんなときはためらわず小児科や救急を受診してください

大人の両手で支えて抱いた小さな赤ちゃんの様子を見守る親

ここまでの話とは別に、下のサインのうち一つでも見えたら、家で様子を見るときではなく、すぐに受診が必要です。小さな赤ちゃんは自分で状態を伝えられず、急に悪くなることがあるので、判断を先延ばしにしないことが大切です。

  • 熱が出ます — とくに生後3か月未満で38度以上なら、それ自体が受診のサインです
  • 体がぐったりして反応が減ったり、反対にひどくぐずって泣きやまなかったりします
  • 母乳・ミルクを拒否したり、いつもよりはっきり飲みが悪くなります
  • おしっこ(おむつ)の回数がはっきり減ります — 脱水のサインです
  • 息が苦しそうだったり、顔色・くちびるの色が変わったりします
  • くり返し吐いたり、噴水のように吐く嘔吐をします
  • けいれんを起こしたり、体がこわばってぐったり伸びたりします
新生児の手足口病で受診を急ぐべき危険なサインをまとめた図

このうち一つでも見えたら、ためらわず小児科や救急を受診してください。先に述べたように、小さな乳児は水疱がはっきりしなくても、発熱・ぐったりだけで受診の対象になります。「いつもと何か違う」という親の直感も、大切な判断材料です。少しでもおかしいと感じたら、その感覚を信じて相談してみてください。

家でうつさないよう、きょうだいや来客もいっしょに守ってあげて

手足口病にはワクチンがないので、予防のかなめは手の衛生と接触の管理です。具合の悪いきょうだいや大人と小さな赤ちゃんの接触を減らし、家族みんなが手をこまめに洗うだけでも、うつるリスクを大きく下げられます。

守ること具体的に
手洗いおむつ・便の処理のあと、授乳・食事の前に石けんで30秒
接触を減らす具合の悪いきょうだいとのキス・頬ずり、同じ食器・タオルの共用を控える
物の管理よく触るおもちゃ・表面を拭き、唾液・うみがついたものはすぐ片づける
来客手を洗ってから抱っこ、風邪・手足口病の症状があれば接触を先送りに

きょうだいが手足口病にかかったとき、いつまでうつるのか、保育園はいつから再び通わせてよいのかが気になるなら、手足口病はいつまでうつる? — 感染期間と登園の目安もあわせてご覧になると役立ちます。症状が消えたあともしばらくうつることがあるので、小さな下の子がいる家では手洗いをより長く続けるのがよいでしょう。

よくある質問

新生児も本当に手足口病にかかるのですか?
はい、かかることがあります。外出をほとんどしない赤ちゃんでも、保育園に通うきょうだい、症状の軽い大人、抱っこする来客を通してうつってくることがあります。ただ、大きい子と違って生後1か月(長くて3か月)未満は、発熱だけでもすぐに受診するのが原則だという点は、ぜひ覚えておいてください。

水疱が一つもないのに手足口病のことがありますか?
小さな乳児は手足口の水疱よりも、発熱・ぐったり・飲みが悪いことが先だったり、より目立ったりすることがあります。ですから典型的な水疱がなくても手足口病のことがあり、反対に水疱の有無にかかわらず、生後100日にならない赤ちゃんが熱を出したら、それ自体で受診してみるのが安心です。

大きい子は家で見ましたが、小さな下の子も同じようにすればいいですか?
そうではありません。大きい子にしていた家での対症ケアを、小さな乳児にそのまま当てはめるのは難しいです。この月齢は症状が軽く始まっても急に悪くなることがあり、ほかの感染との区別も難しいので、発熱やぐったりが見えたらハードルを下げて受診するのが原則です。

熱はなく、手足だけにぶつぶつが出ました。必ず病院に行くべきですか?
小さな赤ちゃんは自分で状態を伝えられず、急に変わることがあるので、発疹が見えたら受診で確かめてもらうのが安心です。受診までは授乳量、元気さ、熱が出ていないかをあわせて見て、少しでもぐったりする、飲みが悪いといったときは、待たずに相談してみてください。

最後にまとめると

新生児や小さな乳児も手足口病にかかることがあり、多くは家族の中でうつってきます。大切なのは、大きい子の手足口病と同じ病気でも、向き合い方を変えるという点です。この月齢は症状が典型的でないことがあり、まれに重い経過をたどることもあるので、発熱やぐったり・授乳の拒否が見えたら、家で様子を見るより早めに受診するのが原則です。

とくに生後3か月未満で38度以上の熱は、それ自体が受診のサインだということ、水疱がなくても発熱・ぐったりなら待たないということ。この二つを覚えておくだけで、判断がぐっとはっきりします。そして、家族みんなの手洗いと接触の管理が、小さな赤ちゃんを守るいちばん実際的な方法です。