新生児の頭のかたちケア|お金をかけず後頭部をきれいに(タミータイム・姿勢ルーティン)
頭のかたち枕やヘルメットなしで、家でできる新生児の頭のかたちケア。タミータイムのやり方と姿勢・向きを変えるルーティン、安全の注意点、相談が必要なサインまでまとめました。
赤ちゃんを寝かせて育てていると、ある日、後頭部の片側が少し平らになっているのに気づいて、ふと心配になりますよね。検索してみると、頭のかたち枕から矯正ヘルメットまで出てきますが、値段を見るとなかなか手が出ません。
まずは安心できるお話から。押されて片側が平らになる姿勢性斜頭は、お金をかけなくても、家で姿勢を変えてあげるだけで予防できたり、よくなったりすることが多いです。とくに生後まもない、だいたい3か月より前に気づければ、姿勢のケアだけで改善が期待できることが多いようです。ポイントはたったひとつ。同じ姿勢で長く押され続けないよう、圧力をあちこちに分けてあげることです。どう分けるのか、タミータイムから向きを変えることまで、ひとつずつ整理していきますね。
後頭部の片側だけ平らになるのはなぜでしょう?
赤ちゃんの頭の骨はまだ柔らかく、よく育っている最中なので、片側ばかり長く押されると、その部分が押された形に少しずつ平らになっていきます。これを姿勢性斜頭と呼びます。いつも同じ向きで寝たり、顔を片側にばかり向けたりする癖が積み重なると起こりやすいです。
だからケアの原理もシンプルです。一か所ばかり押され続けないよう、押される場所を変えてあげること、これがすべてです。寝る向き、抱く向き、遊ぶ姿勢を少しずつ変えると、頭にかかる圧力があちこちに分かれるからです。
ひとつ区別しておきたいことがあります。単に片側で寝る癖が原因のこともありますが、首の筋肉が片側にこわばって顔が同じ方向にばかり傾く斜頸を併せ持っていることもあります。このときは姿勢を変えるだけではなかなか戻らないので、下の「相談が必要なサイン」を必ず確認してください。
家でできる頭のかたちケア4つ
お金をかけず今日から始められる方法を4つにまとめました。ひとつだけより、いくつかを生活に一緒に取り入れると圧力が均等に分かれます。

1. タミータイム — 起きているときにお腹で遊ぶ
タミータイムは、赤ちゃんが起きているときにお腹を床につけてうつ伏せで遊ぶ時間です。うつ伏せの間は後頭部に圧力がかからず、首や肩の力も育って、あとで自分から顔を向けるのに役立ちます。頭のかたちケアのいちばんの基本ですね。
最初から長くする必要はありません。生後まもない時期は1日2〜3回、1回3〜5分ほどの短い時間から始め、赤ちゃんが慣れるにつれて少しずつ増やし、1日あわせて30〜60分を目標にすればよいでしょう。赤ちゃんが嫌がれば1〜2分ずつこまめに分けても大丈夫です。安全に行う方法は下にまとめてあります。
2. 寝る向き・顔の向きを変えてあげる
いつも同じ側に顔を向けて寝るなら、押される側が上にくるように誘ってあげます。赤ちゃんは音や光のする方に顔を向ける習性があります。だからベッドに寝かせる向きを数日に一度ずつ反対にすると、ドアや窓のような気になる方に向かって自然に顔が反対側へ移ります。
無理に頭を回して固定するのではなく、赤ちゃんが自分から反対側を見たくなるよう環境を変えてあげることです。
3. 抱く向き・授乳姿勢を変える
抱くときも飲ませるときも、向きを交互にしてあげるとよいです。いつも同じ腕でばかり抱くと、赤ちゃんの顔も片側にばかり傾きやすいからです。授乳のとき左右を交互に抱き、抱き上げるときも向きを変えると、首が両側にまんべんなく動きます。
授乳姿勢を変えるときは、赤ちゃんの顔が後ろに反り返らないよう、首と頭をしっかり支えてあげてください。
4. おもちゃ・光で興味を反対側に誘う
寝かせて遊ばせるとき、モビールやガラガラ、やわらかい光を押される側の反対に置くと、赤ちゃんがそちらを見ようと顔を向けます。一日中同じ側ばかり見ていないよう、興味を引くものの位置をときどき変えるだけでも圧力が分散します。
床に背中をつけて起きて遊ぶ時間にも、保護者の顔を押される側の反対から見せて話しかけると、自然に顔がそちらへ移ります。
方法ごとにひと目でまとめると
| 方法 | いつ | どうやって | これは必ず |
|---|---|---|---|
| タミータイム | 起きていて機嫌のよいとき | 1日2〜3回、3〜5分から → 30〜60分 | 保護者がそばで見守る |
| 寝る向き | 数日に一度 | 寝かせる向きを反対に | 興味の側へ顔を誘う |
| 抱っこ・授乳 | 授乳・抱くたびに | 左右を交互に | 首・頭を支える |
| おもちゃ・光 | 起きて遊ぶ時間 | 押される反対側に配置 | 位置をこまめに変える |
タミータイムを安全に行うには
効果が高いぶん、安全の原則を必ず守ってください。赤ちゃんをうつ伏せにする活動なので、下の4つは例外なく守ってあげてください。
- 起きているときだけ行ってください。眠ったら必ず背中をつけて仰向けに寝かせます。うつ伏せで寝かせることは乳幼児突然死のリスクにつながるので、寝ている間は絶対にうつ伏せにしません。
- 保護者がそばで見守り続けてください。少しの間でも席を外してはいけません。赤ちゃんが顔を床に埋めたり、つらそうにしたりしたら、すぐに向きを変えて抱き上げます。
- かたくて平らな床で行ってください。ふかふかの布団やクッション、ソファの上は顔が埋もれて息が詰まるおそれがあり危険です。薄いマットや毛布を敷いた床がよいです。
- 授乳の直後は避けてください。お腹が押されて吐き戻すことがあります。授乳からある程度たって機嫌のよいときがよいです。
赤ちゃんがひどくぐずるときは、無理に続けず短く切り上げます。毎日少しずつ慣れることが大切で、一度に長く行うことが目標ではありません。
記録しておくと変化が見えます
頭のかたちは毎日少しずつ変わるので、そばで見ているとかえって変化を感じにくいものです。そんなとき、同じ角度で撮った写真が役立ちます。上から見た様子と横顔を定期的に残しておくと、押された側がどれだけ戻ったかが目で確認できて、続ける力がわいてきます。すくすくぱしゃに頭のかたちの写真を日付ごとに残しておくと、前後の変化を並べて比べやすいです。
こんな場合は相談を受けてみてください
家でのケアで助けになることが多いですが、下のサインが見えたら小児科やリハビリテーション科で確認を受けてみてください。ひとりで判断するより、専門家の目が必要な瞬間です。
- 姿勢を変えても顔がいつも片側にばかり傾いたり、反対側にうまく向けなかったりします(斜頸を併せ持っていることがあります)
- 姿勢のケアを続けているのに非対称がだんだんひどくなったり、顔・耳の位置まで目立ってずれたりします
- 生後3〜4か月を過ぎても押された部分がほとんど変わりません
- 頭のかたちだけでなく、発達がゆっくりだったり、ほかに気になるサインが一緒にあります
姿勢のケアだけではうまく整わないひどい非対称は、ふつう生後3〜8か月(とくに5〜6か月)ごろに矯正ヘルメットの相談をすすめられることもあります。必要かどうかは診察を通じて判断するのが安全です。
よくある質問
頭のかたち枕(ドーナツ枕)は必ず買うべきですか? 真ん中がくぼんだ頭のかたち枕については意見が分かれます。何より、新生児をふかふかの枕の上で寝かせることは、窒息・突然死のリスクからおすすめしません。頭のかたちケアは、枕より、起きているときの姿勢と向きを変えてあげるほうが先です。
もう6か月ですが、今から始めても遅くないでしょうか? 赤ちゃんによって違いがあるので、言い切るのは難しいです。ただ、頭の骨が速く育つ時期ほど姿勢のケアの効果が期待しやすいので、心配なら姿勢のケアを続けながら、一度診察で状態を確認してみることをおすすめします。
頭のかたちマッサージは役に立ちますか? 頭の骨の形そのものを手で押して変えるマッサージはおすすめしません。赤ちゃんの頭の骨はまだ固まっておらず、むやみに圧をかけてはいけません。ケアはマッサージより、圧力を分散する姿勢のルーティンで取り組んでください。
最後にまとめると
後頭部の片側だけ押されるのは、同じ姿勢で長くいるからです。だからケアも難しくありません。起きているときにタミータイムで後頭部の圧力を減らし、寝る向き・抱く向き・おもちゃの位置を交互に変えて圧力を分ければよいのです。タミータイムは必ず起きているときだけ、そばで見守りながら、かたい床で、授乳の直後を避けて行ってください。
続ければ助けになることがありますが、赤ちゃんによってペースは違います。顔が片側にばかり傾いたり、非対称がひどくなったりしたら、そのときはためらわず小児科に相談してみてください。
頭のかたちケアと一緒に赤ちゃんをよく抱くようになったら、抱っこでないと寝ない赤ちゃん、寝る習慣をつけるにはも参考にしてみてください。寝かせて遊ばせるときに使うクッションで悩んでいるなら、逆流防止クッションは必ず買うべき?も一緒に読んでみるとよいです。