新生児の肌の赤み(うつ熱)を減らす環境ケア5つ|温度・湿度・服・お風呂・保湿
お薬の前に、家でできる赤みケアが知りたいなら。新生児の肌の赤み(うつ熱)が出る理由と、温度・湿度・服・お風呂・保湿の五つの環境ケアを「こうして・ここは気をつけて」でまとめ、相談が必要なサインまでお伝えします。
赤ちゃんのほっぺやおでこ、首のしわにぶつぶつと赤いものが出てくると、はっとしますよね。まず病院に行くべきか、軟膏を塗るべきかと迷いますし。でも、新生児の肌の赤み(うつ熱)には、お薬よりも先に見てあげたいことがあります。それは赤ちゃんのまわりの環境です。
先にお伝えすると、軽い赤みは、家の中の温度や湿度、服、お風呂、保湿といった環境をていねいに整えてあげると、落ち着いていくことが多いようです。新生児はまだ自分で体温をうまく調整できず、汗腺も十分に発達していないため、熱が肌にこもりやすく、それが赤みとなって出てくるといわれています。だからこそ「暑くしすぎず、乾燥させすぎない」ように環境を変えてあげるのが、いちばんの基本になります。
そこでこの記事では、家ですぐに変えられる環境を五つ、「こうしてみましょう」と「ここは気をつけて」に分けて一つずつまとめました。もちろん環境だけでは十分でないこともあるので、相談が必要なサインも最後にあわせてお伝えします。
うつ熱による赤みはなぜ出て、環境がなぜ大切なのでしょう?
ここでいう赤みとは、新生児の肌に熱がうまく逃げずにこもって出てくる赤い発疹のことを指します。生まれたばかりの赤ちゃんは体温を調整する働きがまだ未熟で、汗腺も十分に発達していないため、少し暑かったり蒸れたりするだけでも熱が肌に集まりやすいといわれています。ほっぺ、おでこ、首のしわ、背中のように、熱がこもって汗がたまりやすいところに、とくに出やすいようです。
環境が大切な理由がここにあります。赤ちゃんの体温は、まわりの温度や湿度、着ている服にすぐ影響を受けるからです。部屋が暑くて服まで厚く着せていると、その分だけ熱の逃げ場がなくなってしまいます。反対に、涼しく風通しよくしてあげると、こもっていた熱がやわらいで肌も少し落ち着くことが多いようです。
ですから、赤みのケアは大きく二つの方向で考えるとわかりやすくなります。熱がこもらないように「涼しく」、そして肌のバリアが傷つかないように「乾燥させすぎない」。これからお伝えする五つは、すべてこの二つの方向のなかにあります。
家で変えられる環境5つ
大がかりなことではなく、すでにしていることを少しずつ調整するだけです。一つずつ見ていきましょう。
1. 温度 — 暑くしすぎない
まず見てあげたいのは部屋の温度です。「新生児は冷えないように暖かく育てないと」と考える方も多いのですが、赤みがあるときはむしろ逆のことが多いようです。暑くて蒸れた環境が、熱を閉じ込めてしまうからです。
- こうして:大人が半袖で少し涼しいと感じるくらいを目安に、赤ちゃんの部屋を暑くしすぎないようにしてみましょう。部屋の空気がこもらないよう、ときどき換気してあげるのも助けになります。
- ここは気をつけて:温度を下げようとして、冷たい風が赤ちゃんの体に直接当たるのは避けましょう。エアコンや扇風機の風は、壁や天井のほうへ向けて、間接的に涼しくしてあげるほうがよいようです。
2. 湿度 — 乾燥させすぎない
涼しさばかりを気にしていると、湿度を見落としがちです。空気が乾きすぎると赤ちゃんの肌の水分が奪われてバリアが弱くなり、赤みのある肌はいっそう敏感になることがあります。
- こうして:室内が乾きすぎないように保ってあげましょう。暖房やエアコンを長くつけるときは、とくに空気が乾きやすいので、洗濯物を干したり加湿したりして、ほどよくしっとりした状態を保つとよいようです。
- ここは気をつけて:反対に湿度が高すぎると、汗がうまく乾かず、かえって蒸れてしまうことがあります。「乾かしすぎず、じめじめさせすぎず」が目安です。加湿器を使うなら、タンクとそのまわりをこまめに拭いて清潔に保ちましょう。
3. 服 — 薄く、風通しよく
着せる服も、そのまま赤ちゃんの体温につながります。厚く何枚も包み込むと、その分だけ熱がこもってしまいます。赤みがあるときは「一枚少なめに」という気持ちのほうが、かえって助けになることが多いようです。
- こうして:薄くて風通しのよい綿素材で、軽めに着せてあげましょう。汗をかくと湿った服が肌を刺激するので、濡れたと感じたらすぐにさらりとした服に着替えさせます。首のしわやわきの下のような、たたまれるところは汗がたまりやすいので、やさしく拭いて乾かしてあげましょう。
- ここは気をつけて:冷えないかと心配でつい包み込みがちですが、赤ちゃんが暑がっていないか確かめるときは、手足よりも背中や首の後ろに触れてみましょう。背中が湿ってほてっていれば、暑いというサインです。手足はもともと少し冷たいことが多いので、目安にしにくいのです。
4. お風呂 — ぬるめのお湯で短く
お風呂は肌にたまった汗と熱を洗い流すよい方法ですが、入れ方が大切です。お湯が熱すぎたり長く浸かったりすると、かえって肌が刺激を受け、水分が奪われて乾燥してしまうことがあります。
- こうして:ぬるめのお湯で短めに洗ってあげましょう。洗浄料を使うなら、香りや刺激の少ないおだやかなものを選び、ひんぱんにというより必要な分だけ使い、たたまれる部分はそっと洗ってあげましょう。
- ここは気をつけて:赤みがあるからと、一日に何度もごしごし洗うのは避けましょう。ひんぱんで熱いお風呂は、肌のバリアをかえって弱くしてしまうことがあります。洗ったあとはこすらず、やわらかいタオルでぽんぽんと押さえて水気を拭いてあげましょう。
5. 保湿 — 低刺激で肌のバリアを守る
意外にも、赤みがあるときにも保湿は大切です。熱を冷ますことばかりに気を取られて肌が乾いてしまうと、バリアが弱まって刺激により敏感になるからです。とくにお風呂の直後は水分が逃げやすいときなので、保湿のタイミングとしてよいようです。
- こうして:お風呂のあと水気をそっと押さえて拭いたら、香料や色素の少ないおだやかな保湿アイテムを薄く塗って、肌のバリアを守ってあげましょう。厚く塗るより、薄く伸ばして塗るほうがよいようです。
- ここは気をつけて:特定の軟膏やクリームを、赤みの治療薬のように自己判断で塗るのはおすすめしません。ステロイドの入った軟膏などは、自分の判断で使うより、必要なときに小児科で赤ちゃんの状態を見てもらって処方を受けるほうが安心です。新しいアイテムを使うときは、腕の内側などせまい部分に先に塗って、反応を見てあげるとよいでしょう。
肌が敏感なときは、赤ちゃんが無意識にかいて傷になりやすいものです。爪を短くなめらかに整えておくと、ひっかきによる刺激を減らす助けになるので、傷つけずに切る方法は新生児の爪切り、傷つけずに切る方法を参考にしてみてください。
五つの環境を、ひと目でまとめると
家で参考にしやすいように表にまとめました。「こうして」は向かう方向、「ここは気をつけて」はつい見落としがちなところです。
| 環境 | こうして | ここは気をつけて |
|---|---|---|
| 温度 | 少し涼しいくらいに、ときどき換気 | 冷たい風が体に直接当たらないように |
| 湿度 | 乾かしすぎず、ほどよくしっとり | じめじめしすぎも蒸れる、加湿器は清潔に |
| 服 | 薄い綿素材で軽く、濡れたら着替え | 背中・首の後ろで暑さを確認、包み込みすぎない |
| お風呂 | ぬるめのお湯で短く、おだやかに洗う | ひんぱん・熱く・長く洗わない |
| 保湿 | お風呂のあと低刺激のものを薄く | 軟膏・クリームの自己判断での使用は避ける |
「暖かく育てないと」という言葉、赤みにはなぜ逆なのでしょう?
赤みのケアで、親御さんがいちばん迷いやすいのがここです。「新生児は暖かく」という言葉がとても身近なので、赤みが出るとかえって包み込んでしまうことがあるのです。でも、すでに熱がこもって出ているのが赤みなので、そこにさらに暑くしてあげると、逃げるはずの熱まで閉じ込めてしまいます。
ですから、赤みが見えるときは「一枚少なく、少し涼しく」という方向が助けになります。赤ちゃんが寒くないか心配なときは、先ほどお伝えしたとおり、手足ではなく背中や首の後ろに触れて確かめてみましょう。背中がさらりとして少し温かいくらいなら、だいたいちょうどよいことが多いようです。
もう一つ、お風呂と保湿がたがいに反対のことのように感じて、迷うかもしれません。片方は洗い流し、もう片方は満たしてあげるものだからです。この二つは順番として理解するとわかりやすくなります。ぬるめに短く洗って熱と汗を減らしたあと、すぐに薄く保湿して逃げていく水分を守る、という流れです。洗うことと塗ることのあいだのバランスが、赤みのある肌にはよく合うようです。
環境を変えたあと、よくなっているかどうやってわかる?
環境を整えたら、次は赤ちゃんの肌がどう反応するかを見守る番です。ところが赤みは、毎日見ている親御さんほど、かえって変化を感じ取りにくいものです。少しずつ薄くなっても、目ではなかなかつかめないからです。
そこで、同じところを数日おきに同じ照明の下で写真に残しておくと助けになります。あとで並べて見比べると、「あのときより赤みが減ったな」と確かめられます。すくすくぱしゃにこうした肌の写真を日付とともに記録しておくと、変化を時間の流れにそって見比べるのに役立ちますし、相談に行くときに経過の写真があると説明もぐっとしやすくなります。赤ちゃんの写真をうまく残す方法は生後100日の赤ちゃんセルフ写真の記録のコツでもっと見られます。
こんなときは小児科に相談してみましょう
ほとんどの軽い赤みは環境を整えながら見守れますが、次にあてはまるときは、家で耐えるより小児科で一度確かめてもらいましょう。
- じゅくじゅくと汁が出たりかさぶたになったりして、肌がただれたり化膿したように見える
- 赤ちゃんがひどくかゆがったり、かいてよく眠れなかったりする
- 環境を変えて数日たっても、よくならなかったり、むしろ広がったりする
- 発疹とともに熱が出たり、赤ちゃんがいつもと違ってぐったりしてあまり飲まない
- うつ熱による赤みなのか、アトピーやほかの肌トラブルなのか、自分では見分けにくいとき
とくに発熱やぐったり、じゅくじゅくといった、ただの赤みとは様子の違うサインがいっしょに見えるときは、早めに受診するとよいでしょう。うつ熱による赤みとほかの皮膚の病気は、見た目が似ていてもケアの方法が違うことがあるので、迷うときは専門家に直接見て判断してもらうほうが安心です。
よくある質問
うつ熱による赤みとあせもは同じものですか? 似た意味で使われることもありますが、ここでいう赤み(うつ熱)は赤ちゃんの顔や体に出る赤みを幅広く指す言い方で、あせもは汗がたまってできる発疹を指します。どちらも熱と汗が関わるので、涼しくさらりと保つケアの方向は似ています。ただ、見分けが迷ううえになかなか治らないときは、相談してみましょう。
赤みはいつごろよくなりますか? 赤ちゃんによって差がありますが、環境をていねいに整えてあげると、たいていは時間がたつにつれて落ち着いていくことが多いといわれています。ただし長く続いたりひどくなったりするときは、ほかの原因があることもあるので、受診をおすすめします。
母乳育児だと、ママの食べるものが赤みに影響しますか? 食べものとの関わりは赤ちゃんによって違い、はっきりと言い切りにくいところです。特定の食べものをむやみにやめるより、気になるときは小児科や母乳相談でいっしょに確かめてみるとよいでしょう。
顔に出た赤みにも保湿を塗っていいですか? 香料や色素の少ないおだやかなものを薄く塗るのはおおむね問題ないことが多いですが、じゅくじゅくと汁が出たりただれたりしているなら、自己判断で塗らず、まず受診してみましょう。
最後にまとめると
新生児の肌の赤みは、お薬からではなく、赤ちゃんのまわりの環境を涼しくさらりと整えてあげることが先です。温度は少し涼しく、湿度は乾かしすぎず、服は薄く、お風呂はぬるめに短く、保湿は低刺激で薄く。この五つが「熱を閉じ込めず、肌のバリアは守る」という一つの方向につながっています。
なにより、「暖かく」という身近な気持ちを、赤みの前では一歩下ろしても大丈夫です。そうして数日見守っても、じゅくじゅくと汁が出たり、ひどくかゆがってなかなか治らなかったりするなら、そのときは小児科で確かめてもらうのが、いちばん心が落ち着く選び方です。赤ちゃんの肌は育つにつれて少しずつ丈夫になっていくので、焦らなくて大丈夫ですよ。