赤ちゃんは何度から熱?部位別の平熱・発熱の目安表
赤ちゃんの平熱と発熱の目安は、測る部位ごとに違います。直腸・耳・おでこ・わきの下の発熱の目安と、微熱・発熱・高熱の分け方、3か月未満の注意点まで目安表で整理しました。
夜、赤ちゃんのおでこが妙に熱い気がして体温計を取り出したのに、いざ数字を見ても「これって熱なのかな?」と手が止まってしまいますよね。測る場所によって数字が違って出るので、なおさら迷います。
まず大きな目安からお伝えすると、赤ちゃんはだいたい38.0度以上のときに熱があると考えます。ただしこれは、直腸や耳のように体の内側の温度に近い部位を基準にした数字です。わきの下のように低めに出る場所は、同じ状態でも少し違う基準を使います。
ひとつ、先に覚えておくとよい例外があります。生後3か月未満の赤ちゃんが38.0度以上なら、ほかの症状がなくてもすぐに受診しておくと安心です。この時期の赤ちゃんは、熱の原因が何かを見た目から判断しにくいためです。この記事では、部位別の目安表と微熱・発熱・高熱の分け方を整理し、数字に関係なく急いだほうがよい場合も見ていきます。
赤ちゃんは何度から熱でしょうか
一般的に、赤ちゃんの中心体温が38.0度以上なら発熱と考えます。直腸(肛門)や耳(鼓膜)で測った体温がこれにいちばん近くなります。私たちの体は日中は少し高く、明け方は低くなるように、一日のなかでも0.5度前後で上下するので、たったひとつの数字で「ここから熱」と線を引くのは難しいものです。ですから、目安の38.0度を超えたかどうかと、赤ちゃんの機嫌や様子をあわせて見るのがよいでしょう。
ひとつ誤解があります。手足をさわって熱ければ熱、冷たければ大丈夫、と判断してしまうことが多いのですが、手足の温度は周囲の温度や血のめぐりに大きく左右されます。熱が上がりはじめのころは、むしろ手足が冷たくなることもあります。熱があるかを見るときは、手足よりもおなかや背中、おでこなど胴体のほうをさわってみて、はっきりしなければ体温計で確かめるほうが正確です。
部位別の平熱と発熱の目安表
同じ赤ちゃんでも、どこで測るかによって数字が変わります。体の内側ほど高く、外側の皮膚に近いほど低く出るので、部位のあいだにはおよそ0.3〜0.5度ほどの差が出ます。下の表は、よく使われる四つの部位のおおよその平熱の範囲と発熱の目安です。資料によって少しずつ違うことがあるので、参考程度に見てください。
| 測定部位 | 平熱の範囲(目安) | 発熱の目安 | 特徴 |
|---|---|---|---|
| 直腸(肛門) | 36.6〜38.0度 | 38.0度以上 | 体の内側の温度にいちばん近く正確、小さな乳児の評価に勧められます |
| 耳(鼓膜) | 35.8〜38.0度 | 38.0度以上 | 速くて楽、角度や耳あかで誤差が出ます |
| おでこ(赤外線・側頭動脈) | 35.5〜37.8度 | 38.0度以上 | 非接触で楽、汗・風・室温に影響されます |
| わきの下(腋窩) | 34.7〜37.2度 | 37.2度以上 | 安全で手軽、低めに出てばらつきが大きめです |
表を見ると、わきの下だけ発熱の目安が少し低いですね。わきの下は体の外側の皮膚で測る方法なので、実際の体の内側の温度より低く出る傾向があり、37.2度くらいを超えるだけでも熱の可能性を見ます。資料によっては37.5度を目安にすることもあります。反対に直腸・耳・おでこは体の内側の温度に近いため、38.0度を目安の線にするのが一般的です。
家庭ではやはり耳やおでこの体温計をよく使いますよね。楽で速いからです。ただ、生まれて間もない赤ちゃんや、はっきりしない数字が出たときは、同じ部位をもう一度測ったり、わきの下で見比べてみたりすると判断の助けになります。
微熱・発熱・高熱はどう分けるでしょうか
体温がどのくらい高いかによって、よく微熱・発熱・高熱に分けます。下の区分は体の内側の温度を基準にしたおおよその範囲です。
| 区分 | 体温(目安) |
|---|---|
| 微熱 | 37.5〜38.0度 |
| 発熱 | 38.0〜39.0度 |
| 高熱 | 39.0度以上 |
ただ、この区分はあくまでおおよその目盛りです。数字が高いから必ず危ないというわけではなく、逆に微熱だからと無条件で安心できるわけでもありません。たとえば39度を超えても赤ちゃんがよく遊びよく飲むなら、見守りながらケアできる場合がある一方、38度に満たなくてもぐったりして反応が弱いなら、より気をつけて見たほうがよい場合もあります。ですから体温の数字と同じくらい、赤ちゃんが今どんな様子かをあわせて見ることが大切です。
体温が上がったり下がったりするのはなぜでしょうか
熱ではないのに体温が一時的に上がっていることも、けっこう多いです。泣いたあとや、しばらく動きまわったあと、厚着させて布団のなかに長くいたあと、暑い日に外にいて入ってきた直後などは、体が一時的に温まって体温が高く出ることがあります。予防接種や歯ぐずりのように、別の理由で微熱が上下することもあります。
ですから、最初に測った数字が中途半端に高いときは、服を一枚脱がせて15〜20分ほど経ってから、落ち着いた状態でもう一度測ってみるとよいでしょう。本当の熱なら測り直しても同じくらいかさらに上がり、一時的な上昇だったなら下がっていることが多いです。一度の数字に大きく驚くより、時間をおいて流れを見るほうがずっと正確です。
熱はぜんぶ悪いことでしょうか
熱そのものは、じつは体が感染とたたかっている反応に近いものです。体温を上げてウイルスや細菌が活動しにくい環境をつくり、免疫の細胞がより動きやすくする過程だからです。ですから熱が出たというだけで大きく怖がる必要はなく、熱が何度まで上がったかよりも、赤ちゃんがその熱をどう乗り越えているかのほうが大事なサインになります。
水や母乳・ミルクをよく飲み、熱が少し下がったときには遊んだり笑ったりし、目を合わせて反応するなら、家で穏やかにケアしながら見守れる場合が多いです。ただ、この「見守ってよい場合」にははっきりした例外があります。次の状況は、数字に関係なく受診を急いだほうが安心です。
数字に関係なく受診が必要な場合
熱はたいてい家でケアしながら過ぎていきますが、次にあてはまるときは体温が何度かにかかわらず、早めに受診するのがよいでしょう。ひとつにまとめておいたので、必要なときにまた確認してみてください。
1. 生後3か月未満が38.0度以上のとき
まず覚えておきたい場合です。この時期の赤ちゃんは熱の原因を見た目から判断しにくく、まれではあっても重い感染の可能性もあるため、ほかの症状がなくてもすぐに受診しておくと安心です。とくに生後1か月未満なら、あまり待たないほうがよいでしょう。
2. ぐったりしたり反応が弱いとき
起こしてもなかなか起きず、目線が合わなくなり、いつもと違ってぐったりしたり、しきりにだらんとするなら、熱の高さに関係なく見てあげてください。反対に、あやしても泣きやまないほどひどくぐずり続ける場合も同じです。
3. うまく飲めなかったり脱水が疑われるとき
授乳や水分をいやがり、おしっこの回数が目立って減り(おむつが長く乾いている)、くちびるや口のなかが乾き、泣いても涙がほとんど出ないなら、脱水のサインかもしれません。熱があるときは水分がより失われやすいので、いつも以上に気をつけて見てあげてください。
4. けいれんを起こしたり呼吸がおかしいとき
体をこわばらせたり震えたりして意識がもうろうとする熱性けいれん、息を苦しそうに続けたりぜいぜいする呼吸の異常は、すぐに受診が必要なサインです。熱性けいれんが初めてなら、とくに病院で確認してもらうのがよいでしょう。
5. 高熱が続いたり、熱が数日続くとき
39度以上の高熱がなかなか下がらない、微熱でも3日以上続く、いったん下がってまた上がるをくり返すなら、相談してみてください。発疹・嘔吐・ひどい咳のようなほかの症状が一緒にあるときも同じです。熱が出る感染症は種類によって対応が少しずつ違うので、この点は赤ちゃんのインフル・風邪・コロナの症状の見分け方でくわしく扱っています。
ここに書いた内容は一般的な案内なので、赤ちゃんの様子が心配なら、この一覧にぴったりあてはまらなくても、いつでも小児科に問い合わせるのがいちばん安心です。
家で体温を記録しておくと迷いにくくなります
熱が出たときは「何時に何度だったか」「薬をいつ飲ませたか」が思ったよりすぐにあやふやになります。夜中に何度も測っていると、なおさらです。測った時刻と体温、解熱剤を使った時間をそのつど簡単に書いておくと、熱が上がっている流れか下がっている流れかがひと目でわかり、次の解熱剤まであとどのくらいかも計算しやすくなります。受診のときに「いつから何度まで上がった」と正確に伝えられるのも大きな助けになります。
すくすくぱしゃでは体温と測った時間、症状のメモをいっしょに記録できるので、熱が上下した流れを時間順にたどるのに役立ちます。紙に書いてもアプリに残しても、やり方よりも「そのつど残しておくこと」そのものが、熱のケアでいちばん役に立ちます。
よくある質問
手足が熱ければ熱があるのでしょうか?
手足の温度だけでは判断しにくいです。手足は周囲の温度やめぐりの影響を大きく受けるので、熱が上がりはじめのころはむしろ冷たくなることもあります。おなかや背中、おでこなど胴体のほうをさわってみて、はっきりしなければ体温計で確かめるのが正確です。
耳の体温計は信頼できますか?
速くて楽なのでよく使われますが、体温計を入れる角度や耳あかによって数字が変わることがあります。とくに耳の穴が狭い小さな乳児は誤差が出やすいです。はっきりしない値が出たら、同じ耳をもう一度測るか、わきの下で見比べてみるとよいでしょう。
微熱が数日続いたら病院に行くべきでしょうか?
赤ちゃんがよく飲みよく遊ぶなら見守れますが、微熱でも3日以上続いたりくり返したりするなら相談してみるのがよいでしょう。熱のほかに別の症状が一緒にあるかも見てあげてください。
予防接種のあとに出る熱も同じ目安ですか?
接種後の一日二日のあいだの微熱は、よく見られる反応です。ただし3か月未満が38度以上だったり、高熱が続いたり、ぐったりする場合は、接種に関係なく受診が必要です。接種後の熱のケアは予防接種のあとの発熱ケアで整理しています。
最後にまとめると
- 赤ちゃんはだいたい直腸・耳・おでこ基準で38.0度以上を熱と考え、わきの下は37.2度くらいから見ていきます。測る部位ごとに目安が違います。
- 微熱・発熱・高熱はおおよその目盛りにすぎず、数字より赤ちゃんの様子のほうが大事なサインです。
- 生後3か月未満が38度以上だったり、ぐったり・授乳拒否・脱水・けいれん・高熱の持続があれば、数字に関係なく受診してみてください。