赤ちゃんのサプリ、本当に必要? ビタミンD・鉄分・乳酸菌はいつから

サプリはすべての赤ちゃんに必須ではありません。ただ完全母乳の赤ちゃんは生後数日から1日ビタミンD 400IUを取り入れるのが基本で、鉄分は授乳方法と時期によって見ます。成分ごとにだれに・なぜ必要か、うちの子に必要かを判断する基準を整理しました。重ねて飲ませる前に成分の重複と過剰は小児科・薬剤師に確認を。

赤ちゃんのサプリ、本当に必要? ビタミンD・鉄分・乳酸菌はいつから

薬局やベビー用品コーナーに行くと、赤ちゃん用のビタミンD、鉄分、乳酸菌、総合ビタミンまで本当にたくさんの種類が並んでいますよね。「みんな飲ませているみたいだけど、うちの子にも必要なのかな。飲ませないと何か足りなくなるのかな」と、気持ちが落ち着かなくなることもあると思います。

まず大きな全体像からお伝えすると、サプリメントがすべての赤ちゃんに必ず必要というわけではありません。よく飲み・よく食べて順調に育っている赤ちゃんは、授乳や食事だけで必要な栄養をまかなえていることが多いからです。ですから「飲ませないと大変なことになる」という気負いは、少し下ろしても大丈夫なことが多いです。

ただ、たった一つの例外のように、状況によっては取り入れるのが基本になるものもあります。代表的なのが完全母乳の赤ちゃんのビタミンDです。そこでこの記事では、「全部飲ませるべき/飲ませなくてよい」とざっくりまとめるのではなく、成分ごとに、だれに・なぜ必要なのかを、授乳方法(母乳・ミルク・混合)と月齢に合わせて一つずつ整理していきます。月齢ごとにいつ何を取り入れるかの順番が気になる方は、月齢別サプリロードマップで続けてご覧いただけます。

親の腕に抱かれ哺乳びんでミルクを飲む赤ちゃん

すべての赤ちゃんがサプリを飲む必要はある?

ハイチェアに座ってにっこり笑う健康な赤ちゃん

結論からいうと、健康にすくすく育っている赤ちゃんに、サプリが一律に必須というわけではありません。小児科学会の基本的な考え方も、よく食べ・成長曲線に沿って育っている赤ちゃんなら、多くは授乳と離乳食で必要な栄養をまかなえる、という方向です。

ですからサプリは「もれなく全部そろえるもの」というより、うちの子に不足しやすい部分を、状況に合わせて補うものに近いです。授乳方法が母乳かミルクか、今何か月か、離乳食は始めたか、偏食はないか、によって必要な成分は変わってきます。まわりが飲ませているからと同じようにするより、うちの子の状況を基準に一つずつ考えていくほうが役立つことが多いです。

成分ごとに、だれに・なぜ必要?

成分ごとに「だれに必要か」はかなり違います。まぎらわしいビタミンD・鉄分・乳酸菌を中心に、状況別に分けて見ていきましょう。

1. ビタミンD — 完全母乳の赤ちゃんは取り入れるのが基本

ビタミンDは、この記事でまず覚えておくとよい成分です。母乳は赤ちゃんにとってこの上ない栄養ですが、ビタミンDは比較的とても少なめなのです。ビタミンDが不足すると骨が弱くなるくる病につながることがあるため、完全(またはほとんど)母乳の赤ちゃんは、生後数日以内から1日400IUのビタミンDを補うことがすすめられています。

ミルクの赤ちゃんは少し違います。ミルクにはビタミンDが含まれているので、1日に約1Lほど十分に飲む赤ちゃんなら、たいてい別に取り入れなくてよいことが多いです。ただ、飲む量がそれより少なかったり、混合授乳で母乳の割合が大きかったりする場合は、補充が必要なこともあるので小児科に相談してみてください。

2. 鉄分 — 授乳方法と時期によって

鉄分は、赤ちゃんの時期と授乳方法を一緒に見たい成分です。新生児は生まれるときにお母さんからもらった鉄分をある程度もって生まれてきますが、この蓄えは生後数か月かけて少しずつ減っていきます。そのため完全母乳の赤ちゃんは、おおよそ生後4~6か月頃から鉄分の補充を検討することがすすめられています(米国小児科学会の案内)。その後は牛肉、鉄分強化シリアルのように鉄分が豊富な離乳食へつなげていく流れが自然です。離乳食で鉄分をどう補うかは、離乳食の始め方と順番も参考にしてみてください。

ミルクの赤ちゃんは、多くの場合ミルク自体が鉄分強化製品なので、別に鉄分を補わなくてよいことが多いです。ただ、早産や低出生体重で生まれた赤ちゃんは鉄分の必要量の基準が異なるので、小児科でうちの子に合った案内を受けるのがよいでしょう。

3. 乳酸菌 — 必須ではなく選択

乳酸菌(プロバイオティクス)は、必須の栄養補充というより選択に近い成分です。おなかの張り、ガス、便秘、下痢のような消化まわりの困りごとがあるときに、小児科で選択的にすすめられることはありますが、健康な赤ちゃん全員が必ず飲むものではありません。効果も赤ちゃんの状態や状況によって差が出ることがあるので、「みんな飲ませているからうちも」ではなく、必要を感じたときに相談してから決めるのがよいでしょう。

4. 亜鉛・DHA・総合ビタミン — 状況によって

亜鉛、DHA、総合ビタミンのような成分も同じです。特定の栄養が不足していたり、偏食が強かったり、特別な健康状態があるときに状況別に考えるもので、すべての赤ちゃんが日常的にそろえるものではありません。必要かどうかがあいまいなときは、自己判断でいくつも足すより、まず小児科に相談してみてください。

成分ごとに、だれに必要かをひと目で

ここまでの内容を表にまとめました。うちの子がどの欄にあてはまるか見てみると、判断が少しラクになると思います。

成分別 赤ちゃんサプリ判断表:ビタミンD・鉄分・乳酸菌・亜鉛/DHA/総合ビタミンを完全母乳とミルクの赤ちゃん基準で整理したインフォグラフィック
成分完全母乳の赤ちゃんミルクの赤ちゃんメモ
ビタミンD生後数日から1日400IUが基本1日約1L十分に飲めば大抵不要、少なければ相談母乳にはビタミンDが少ない
鉄分生後4~6か月頃に補充を検討 → 以降は鉄分豊富な離乳食大抵は鉄強化ミルクで別途不要早産・低出生体重児は別の基準
乳酸菌必須ではない、お腹の不調時は相談のうえ選択必須ではない、お腹の不調時は相談のうえ選択効果は状況による
亜鉛・DHA・総合ビタミン不足・偏食など状況別不足・偏食など状況別日常的に必須ではない

混合授乳なら、母乳とミルクの割合、そして1日に実際に飲むミルクの量も一緒に考えます。母乳の割合が大きいなら、完全母乳の赤ちゃんの基準に近づけて見ておくと安心です。

うちの子に必要かどうか、どう判断する?

親の腕に抱かれ機嫌よく笑う赤ちゃん

先ほどの表が大きな枠なら、実際の判断はうちの子のいくつかを一緒に見ればOKです。整理するとこんなことです。

  • 授乳方法:完全母乳か、ミルクか、混合か。とくにビタミンD・鉄分の判断の出発点です。
  • 月齢:今何か月か。鉄分のように4~6か月頃を境に変わる成分があります。
  • 飲む量と成長:よく飲めているか、成長曲線に沿って育っているか。順調に育っていれば、多くは追加の補充を急がなくてよいです。
  • 離乳食・偏食の有無:離乳食を始めたか、特定の食品群をほとんど食べないか。

この四つをざっくり描いてみると、「うちの子は今何を取り入れるとよく、何はあえて足さなくてよいか」が少しはっきりしてきます。それでもあいまいに感じるなら、そのときこそ小児科に聞いてみるのによいタイミングです。

重ねて飲ませる前に、過剰にはこう注意

サプリは「たくさん取り入れるほどよい」が成り立たない領域です。むしろ複数の製品を同時に飲ませると、同じ成分が重なって必要以上に入ってしまうことがあります。

とくにビタミンA・Dのような脂溶性ビタミンは体にたまる性質があり、過剰だとかえって害になることがあります。総合ビタミンにすでにビタミンDが入っているのに、ビタミンD製品を別にまた飲ませたり、ミルクですでにまかなえている成分を知らずに足したりと、重なりが起きやすいのです。

ですから新しいサプリを足したり、二つ以上を一緒に飲ませたりする前には、それぞれの製品にどの成分がどれだけ入っているかを確認し、成分が重ならないかを見ておくことが大切です。用量も自己判断で増やさず、製品表示と小児科・薬剤師の案内に従ってください。正確な用量や組み合わせは赤ちゃんの状態によって変わりうるところなので、一人で判断するより確認を受けるほうが安心です。

こんなときは小児科・薬剤師に相談を

次にあてはまるなら、始めたり調整したりする前に専門家に相談することをおすすめします。

  • 完全母乳なのに、ビタミンDの補充をまだ始めていないとき
  • ミルクの量が1日1Lに届かない、または混合授乳で母乳の割合が大きいとき
  • 早産、低出生体重など特別な出生の状況があるとき
  • 二つ以上のサプリを一緒に飲ませようとしている、または成分が重なるか迷うとき
  • 偏食が強い、あるいはあまり食べず成長がゆっくりに見えて心配なとき

そしてサプリとは別に、赤ちゃんが発熱・くり返す嘔吐・血便・脱水が疑われる状態・呼吸がつらそうなサインを見せるときは、これは栄養補充で解決する問題ではないので、早めに受診してください。

よくある質問

Q. ビタミンD 400IUはいつまで飲ませる?
A. 完全母乳の赤ちゃんは生後数日から始めることがすすめられています。その後、離乳食や授乳の状況が変わるにつれて必要量も変わることがあるので、中止・調整のタイミングは小児科と相談して決めるのがよいでしょう。

Q. ミルクの赤ちゃんは何のサプリも取り入れなくてよい?
A. ミルクはビタミンDと鉄分が強化されているので、1日に十分な量を飲むなら、多くは追加の補充がいらないことが多いです。ただ、飲む量が少なかったり特別な状況があれば変わることもあるので、あいまいなときは確認を受けてみてください。

Q. 乳酸菌はおなかを痛がる赤ちゃんに必ず飲ませたほうがいい?
A. 必ず必要な必須成分ではありません。消化まわりの困りごとがあるときに小児科で選択的にすすめられることはありますが、効果は赤ちゃんによって差があることがあるので、相談してから決めるのがよいでしょう。

Q. 総合ビタミン一つで複数の成分をまとめて取り入れられてラクでは?
A. ラクなことはありますが、すでにミルクや他の製品でまかなえている成分と重なると過剰につながることがあります。成分と用量がうちの子に合っているか、まず確認するのが大切です。

最後に整理すると

サプリはすべての赤ちゃんに必須ではありませんが、完全母乳の赤ちゃんのビタミンDのように、状況によっては取り入れるのが基本になるものもあります。大切なのは「全部飲ませる/飲ませない」ではなく、うちの子の授乳方法と月齢、飲む量を見て、必要なものだけ選んで取り入れることです。そして二つ以上を一緒に飲ませる前には成分の重複と過剰を必ず確認し、あいまいなときは小児科・薬剤師の案内を受けてみてください。月齢ごとにいつ何を取り入れるとよいかは、月齢別サプリロードマップで続けてご確認いただけます。