歯ぐずりの夜間覚醒の見分けと夜通し寝リカバリー・チェックリスト

毎晩のように目を覚ましてぐずる赤ちゃん、歯ぐずりでしょうか、それとも別の理由でしょうか。空腹・癖・睡眠退行・病気と見分ける一覧表と夜通し寝リカバリー・チェックリスト、受診が必要な危険なサインまであっさりまとめました。

歯ぐずりの夜間覚醒の見分けと夜通し寝リカバリー・チェックリスト

よく眠っていた赤ちゃんがある日から毎晩のように目を覚ましてぐずると、夜中に抱っこして歩き回る時間がやけに長く感じられますよね。何日も続くと「もしかして歯ぐずり?」と思う一方で、お腹が空いているのかな、どこか具合が悪いのかなと、頭の中が複雑になってきます。

夜泣きの原因はひとつではありません。歯ぐずりのこともあれば、空腹や癖、急に訪れた睡眠退行、おむつや室温といったちょっとした不快感、あるいは見守るべき体調のこともあります。大切なのは、今の赤ちゃんの夜間覚醒がどれに近いのかを見極めてみることです。原因が違えば対処も変わってくるからです。

この記事では、夜間覚醒が歯ぐずりかどうかを見分けるサインを表にまとめ、歯ぐずりの時期に崩れた夜通し寝を取り戻すチェックリスト、そして歯ぐずりと片づけずに受診したほうがよい危険なサインまで見ていきます。夜中に落ち着かせる具体的な方法やしてはいけないことは、あとで案内する姉妹記事にくわしくまとめてあります。

目次

夜に目を覚ましてぐずる赤ちゃんを抱っこしてあやす保護者

歯ぐずりはいつ、なぜ夜の眠りを妨げるのでしょう

歯ぐずりは、乳歯が歯ぐきを突き抜けて生えてくるころの不快感を指します。多くは生後6か月から24か月ごろにみられます。歯が1本生えるたびに、3日から7日ほど赤ちゃんが敏感になることが多いです。歯が生えるたびにいつもつらいわけではありませんが、奥歯が生えてくる時期にはとくに夜によく目を覚ます赤ちゃんもいます。

昼より夜のほうがぐずりやすいのには理由があります。昼間は遊びや新しい刺激に気がまぎれますが、静かで手持ちぶさたな夜には、歯ぐきのむずむずや不快感がより大きく感じられるからです。そのため、昼間はよく遊んでいた赤ちゃんが夜だけやけに目を覚ましてぐずる流れは、歯ぐずりの時期によくみられます。

歯ぐずりの代表的なサインは、歯ぐきが腫れたり赤くなったり、よだれがふだんより増えたり、手や物をしきりに口に入れて噛もうとする様子です。微熱が少し出ることもあります。ただ、こうしたサインがあるからといって、夜間覚醒がすべて歯ぐずりのせいだと決めつけるのは難しいです。ほかの原因が重なっていることもあるからです。

歯ぐきがむずがゆくて手を噛みよだれを垂らす赤ちゃん

この夜間覚醒は歯ぐずりでしょうか

夜間覚醒が歯ぐずりかどうかは、「いつ、どのように目を覚ますか」を見るとある程度見当がつきます。歯ぐずりは歯ぐきを触ろうとし、よだれが増えて昼間も手を口に持っていくことが多い一方で、空腹や癖による覚醒は、目を覚ます時刻や飲み方に違いが出ます。下の表で並べて比べてみましょう。

冷たい歯固めをくわえている赤ちゃん

区分

夜にみられるサイン

こう見てみましょう

歯ぐずり

歯ぐきが腫れて赤く、よだれが増え、手や物をしきりに噛みます。微熱が少しあることもあります

昼間も手を口に入れることが多いか、歯ぐきに触れるととくに敏感かを確認します

空腹

泣き方がだんだん強くなり、飲ませると積極的に長く飲み、飲んだあとは長く眠ります

最後の授乳時刻と、昼間に飲んだ量を思い出してみます

癖による覚醒

いつも似た時刻に目を覚まし、少し飲んで眠り、1〜2時間後にまた起きます

起きる時刻が毎日規則的か、あやすとすぐに眠るかを見ます

睡眠退行

とくに理由もなく急に頻繁に目を覚まします。4か月、8〜10か月前後によくみられます

寝返りやハイハイなどの発達が一緒にみられる時期かを見てみます

不快感

おむつが濡れていたり、部屋が暑い・寒い、お腹にガスがたまったときに寝返りを打ちます

おむつ・室温や湿度・げっぷの有無をまず点検します

病気

39度以上の高熱、下痢・嘔吐、発疹、ふだんと違う強いぐずりがあります

歯ぐずりと片づけず、体調をみて受診を検討します

表からわかるように、歯ぐずりは「口の周りにサインが集まっている」のが特徴です。よだれ、噛みつき、歯ぐきの変化が一緒にみられれば、歯ぐずりに近いです。反対に、目を覚ます時刻が毎日きっちり繰り返されたり、飲ませると勢いよく長く飲んだりする場合は、歯ぐずりより癖や空腹を先に思い浮かべてみるのが自然です。

ひとつ重なりやすいのが睡眠退行です。4か月や8〜10か月ごろは歯ぐずりの時期とも重なることがあるため、歯ぐずりのせいなのか発達による退行なのか迷うことがあります。ふたつが同時に来ることもあるので、歯ぐきのサインがはっきりしないときは発達段階も一緒に思い浮かべてみてください。熱が上がったり下がったり、風邪の症状が重なって歯ぐずりとの見分けが難しいときは、歯ぐずりの熱と風邪・高熱の見分け方が役立つはずです。

歯ぐずりの夜間覚醒は何日くらい続くのでしょう

歯ぐずりによる夜間覚醒は、たいていその歯が歯ぐきを突き抜けて出てくる数日のあいだ続き、やがて落ち着くことが多いです。歯1本につき3日から7日ほどと考えると、夜の眠りが崩れる期間もその前後のことが多いです。歯ぐきを突き抜けて歯が顔を出すと、不快感が減って夜間覚醒もしだいに落ち着いていく流れです。

もちろん赤ちゃんによって差があります。1日2日だけ敏感で過ぎていく子もいれば、奥歯のような大きな歯が生えるときには、もう少し長くつらそうにする子もいます。数日を目安にしつつ、それより長く続いたり、熱・下痢といったほかの症状が重なったりする場合は、歯ぐずりだけでは説明しにくいサインのことがあるので、体調をもう一度みてみるとよいです。

ここで保護者がいちばん心配するのは「このまま夜通し寝が完全に崩れてしまうのでは」という点です。幸い、歯ぐずりの時期の夜間覚醒は一時的なゆらぎであることが多く、不快感が過ぎればたいていもとのリズムに戻ります。ただ、この数日をどう過ごすかによって、回復がなめらかにもなれば、新しい癖として固まることもあります。その話を次で続けます。

崩れた夜通し寝はどう取り戻すのでしょう

ポイントは、歯ぐずりの数日のあいだ、昼寝と就寝のルーティンをできるだけそのまま保つことです。赤ちゃんがつらそうだからと、ふだんしない夜間授乳を増やしたり、抱っこ寝・車に乗せての寝かしつけといった新しい方法を毎日使ったりすると、不快感が過ぎたあとも、その方法がないと眠れない癖として残りやすいからです。不快感はあやしてあげつつ、眠りにつく方法そのものは大きく変えないのが回復のカギです。

夜中に目を覚ましたときは、すぐに大きく関わるより、少し見守って自分でまた眠る余地を与えるのもひとつの方法です。それでもぐずり続けるなら、短くトントンしたり低い声で安心させたりして、不快の要因から一つずつ点検してみてください。下の項目を順番に確認すると、迷いにくくなります。

歯ぐずりの時期の夜通し寝リカバリー・チェックリスト

  • 昼寝の時間と夜の就寝時刻を、ふだんと近いくらいに保てましたか
  • 寝る前のルーティン(入浴・授乳・絵本・消灯の順番)をそのまま守れましたか
  • 夜に目を覚ましたとき、すぐ抱き上げるより少し見守れましたか
  • 新しい夜間授乳を癖のように増やしていませんか
  • おむつ、室温や湿度、服装といった不快の要因を先に点検しましたか
  • 昼間に歯ぐきをなだめる機会(冷たい歯固めなど)を十分に与えましたか
  • あやすときも毎日違う方法を使うより、1〜2つで一貫させましたか
  • 不快感が過ぎたあと、もとの眠りにつく方法へ自然に戻れていますか

歯ぐずりで崩れた夜通し寝は、たいてい数日たてば元の場所に戻っていきます。もし不快感が落ち着いたあとも夜間覚醒が続くなら、歯ぐずりより癖による覚醒に移った可能性をみてみる必要があります。夜間授乳を減らして夜通し寝の習慣を整え直す流れは、夜通し寝の習慣と夜間授乳を減らすコツに別にまとめてあるので参考にしてみてください。

昼間に保護者と一緒に過ごす赤ちゃん

こんなときは歯ぐずりではなく受診が必要です

歯ぐずりは微熱程度を伴うことはありますが、39度以上の高熱を起こす原因とみるのは難しいです。ですから高い熱やはっきりしたほかの症状が一緒にみられるときは、「歯ぐずりのせいだろう」と片づけず、ほかの原因はないかをみて受診を検討するほうが安心です。下のサインのどれかがみられたら、小児科で相談してみてください。

こんなときは受診してみましょう

  • 39度以上の高熱があるか、熱が3日を超えて続くとき
  • 下痢や嘔吐を繰り返すとき
  • 体に発疹が出るとき
  • 授乳や水分を拒み、尿が減る・口が乾くなど脱水が疑われるとき
  • ふだんと違ってぐったりし、あやしても激しくぐずるばかりのとき

歯ぐずりの不快感は歯ぐきの周りにとどまることが多いですが、上のサインは感染やほかの体調を知らせていることが多いです。とくに熱は歯ぐずりの症状というより別の原因である可能性が高い、と覚えておくと判断がぐっと楽になります。あいまいなときは見守るより相談してみるほうが、気持ちも落ち着きます。

夜中に安全にあやす基本

夜に赤ちゃんをあやすとき、必ず守りたい原則があります。赤ちゃんを寝かせるときは、いつも仰向けで平らな場所に寝かせることです。鼻がつまったりぐずったりするのを楽にしてあげようと、上半身を高くしたり傾けて寝かせたりするのはおすすめしません。傾いた姿勢は、かえって安全な睡眠を損なうことがあるからです。不快感をやわらげたいときは、姿勢を傾ける代わりに、昼間に歯ぐきをなだめ、寝かせる前にコンディションをみてあげるほうが安全です。

夜中の緩和の具体的な方法やしてはいけないこと、安全に寝かせる姿勢は、夜中の歯ぐずりの緩和と安全な寝かせ方にくわしくまとめてあります。冷たい歯固めの使い方や避けたい方法が気になる方は、続けて確認してみてください。

よくある質問

歯ぐずりで熱は何度まで上がることがありますか?

歯ぐずりは微熱程度を伴うことがあるとされていますが、39度以上の高熱は歯ぐずりだけでは説明しにくいです。高い熱があるなら、ほかの原因も一緒にみて受診を検討するとよいです。

奥歯が生えるときは夜によりつらそうにしますか?

奥歯のような大きな歯が生えるときにとくに敏感になり、夜によく目を覚ます赤ちゃんもいます。ただ赤ちゃんによって差があるので、すべての子がそうとはかぎりません。

つらそうなので夜間授乳を増やしてもよいでしょうか?

不快なときにあやすことは必要ですが、ふだんしない夜間授乳を何日も増やすと、歯ぐずりが過ぎたあとも癖として残りやすいです。少しトントンしたり安心させたりする程度であやし、眠りにつく方法はできるだけ保つことをおすすめします。

歯ぐずりの夜間覚醒はいつごろ終わりますか?

ふつうはその歯が歯ぐきを突き抜けて出てくる数日のあいだ続き、やがて落ち着くことが多いです。歯1本につき3日から7日ほどとみるとよいでしょう。それより長く続いたり、ほかの症状が重なったりする場合は、体調をもう一度みてみてください。

最後にまとめると

夜間覚醒が歯ぐずりか気になるときは、口の周りのサインから見てみてください。よだれが増え、手や物をしきりに噛み、歯ぐきが腫れて赤ければ、歯ぐずりに近いです。反対に、いつも同じ時刻に目を覚ましたり、飲ませると長く飲んだりするなら、癖や空腹を先に思い浮かべてみましょう。

歯ぐずりの夜間覚醒は、たいてい数日で過ぎる一時的なゆらぎです。その数日のあいだ昼寝と就寝のルーティンを保ち、関わりすぎを減らせば、夜通し寝はたいていもとのリズムに戻ります。ただし39度以上の高熱や下痢・嘔吐・発疹・脱水、ふだんと違うぐったりがみられたら、歯ぐずりと片づけず小児科で相談してみてください。夜ごとに赤ちゃんを抱いて歩き回る今の時間も、歯が1本ずつ落ち着いていくとともに過ぎていくはずです。