へその緒が取れる前の赤ちゃんの沐浴:沐浴から入浴への切り替えまで
へその緒が取れる前は入浴ではなく沐浴、へその緒が取れておへそが乾いたら入浴に切り替えます。切り替えの時期と湯温・回数・時間の目安、安全のポイントをまとめました。
おへそにへその緒がまだ残っている小さな赤ちゃんを洗おうとすると、お湯を当てることから慎重になりますよね。「おへそに水がついてはいけないと聞いたけれど、ではどうやって洗えばいいの?」という不安が、まず最初に浮かぶと思います。
先に要点をお伝えすると、へその緒が取れる前は湯船につかる入浴ではなく、沐浴(部分浴)で洗います。温かい濡れタオルやスポンジで部分ごとに拭いてあげる方法です。そしてへその緒が取れておへそが浸出液なくきれいに乾いたら、そこで入浴に切り替えます。へその緒は生後1〜2週ごろ取れることが多いですが、時期には赤ちゃんによって差があります。
おへそに水がかすめる程度に触れること自体を、過度に怖がらなくても大丈夫です。つけっぱなしにしなければよく、濡れたらやさしくしっかり乾かして清潔で乾いた状態に保つことが大切だからです。以下では沐浴のやり方から入浴への切り替え時期、湯温などの目安、そして安全に洗う方法まで、ひとつずつ見ていきます。
へその緒が取れる前は、なぜ入浴を避けるの?
へその緒がまだ付いているおへそは、治りかけの傷に近い状態です。そのため長く水につけていると乾きにくく、湿ったままだと治りの妨げになることがあります。取れる前に入浴ではなく沐浴をおすすめするのは、そのためです。おへそをできるだけ水につけず、濡れてもすぐ乾かせるようにしたいのです。
とはいえ、赤ちゃんの体全体を洗えないわけではありません。顔や首のしわ、脇の下、手足、おむつまわりなど、しっかり洗いたいところは温かい濡れタオルで十分に拭いてあげられます。おへそのまわりだけ水がたまらないように気をつければ大丈夫です。「つかる沐浴はしばらくお休みして、拭く沐浴で代える」と考えると気が楽になります。
沐浴、どうやって洗う?
沐浴は赤ちゃんを湯船に入れず、寝かせた状態で部分ごとに拭いてあげる方法です。順番を決めておくと、赤ちゃんが長く冷えないように、手早く安全に洗えます。
1. まず環境と準備物をそろえる
洗う前に、必要なものを手の届くところにすべて集めておきましょう。ぬるま湯を入れた洗面器ひとつ、やわらかい濡れタオルやガーゼ数枚、乾いたタオル、着替えと新しいおむつ、必要ならやさしい赤ちゃん用洗浄料まで。いったん始めたら赤ちゃんから手を離さずに終えたいので、途中で何かを取りに行かなくてすむよう、あらかじめ準備しておくことが大切です。部屋は温かくしておき、風が直接当たらない場所がよいでしょう。
2. 上から下へ、きれいなところから拭く
濡れタオルをぬるま湯に浸してよく絞り、顔から始めます。目は内側から外側へ一度ずつ、洗浄料は使わず水だけで拭いてあげてください。次に耳の後ろ・首のしわ、腕と脇の下、胸とお腹、背中、脚の順に下りていきます。皮膚が重なるしわの間は汗や分泌物がたまりやすいので、とくに丁寧に拭きます。おむつまわりは一番最後に、前から後ろへ拭きます。
拭いたところはそのつど乾いたタオルで押さえて乾かし、赤ちゃんが冷えないようにしてあげましょう。洗浄料を使ったら、濡れタオルでもう一度拭き取り、残らないようにします。
3. おへそはつけず、濡れたら乾かす
おへそのまわりは水がたまらないように気をつけつつ、かすめる程度に濡れることまで怖がらなくて大丈夫です。もし水がついたら、やわらかいガーゼや乾いたタオルで軽く押さえて水気を取ってあげてください。こすったり、かさぶたを無理にはがしたりせず、そのまま乾かすのがよいでしょう。おむつはおへそを覆わないように折って留めると、空気が通って乾くのを助けます。
特定の消毒薬やパウダーを必ず塗る必要はありません。ケアの方法は病院によって案内が少しずつ異なることがあるので、受けた案内を基準にして清潔で乾いた状態を保つことに集中すれば大丈夫です。
入浴はいつから始めていい?
入浴に移る基準は日数ではなくおへその状態です。へその緒が取れて、その部分が浸出液なくきれいに治って乾いていたら、そこから湯船につかる入浴を始められます。へその緒は生後1〜2週の間に取れることが多いですが、もう少し早い子も遅い子も多いので、「何日たったからもう大丈夫」よりも、目でおへそが治ったかを確かめるほうが確実です。
へその緒が取れた直後は、おへその中がまだ湿っていたり、わずかに浸出液が見えたりすることがあります。このときはもう数日沐浴を続けてよく乾くのを待ち、きれいに治ったのを確認してから入浴に移ればよいでしょう。急ぐよりも、おへそが確実に乾いてからつからせるほうが安心です。
沐浴・入浴の目安、湯温と回数と時間は?
沐浴は頻繁に、長くするほどよいわけではありません。新生児は皮膚が薄く乾燥しやすいので、目安を知って短く適度に洗うほうがよいです。沐浴でも入浴でも、以下の目安は同じように当てはまります。
湯温は37〜38℃くらいが適当です。温度計がなければ、肘の内側をお湯につけて「温かいけれど熱すぎない」程度かを確かめればよいでしょう。指先は鈍く、熱いお湯も平気に感じることがあるので、より敏感な肘で測るほうが安全です。部屋は24〜27℃くらいに温かくし、洗う時間は服を脱がせてから仕上げまで20分前後で、お湯に入っている時間はできるだけ短く終えるのがよいでしょう。
回数は新生児で週2〜3回で十分です。毎日洗うと、かえって皮膚が乾燥することがあるからです。汗が多い日やおむつまわりが汚れた日は、その部分だけ部分洗いすればよいでしょう。そして授乳直後は沐浴を避けるのがよいです。お腹が圧迫されたり姿勢が変わったりして吐き戻すことがあるので、授乳から少し経ってから洗うほうが安心です。
| 目安 | 推奨範囲 | ポイント |
|---|---|---|
| 湯温 | 37〜38℃ | 肘の内側で確認、指先は鈍い |
| 室温 | 24〜27℃ | 風が直接当たらないように |
| 沐浴時間 | 20分前後 | 短く終えて体温低下・乾燥を防ぐ |
| 回数 | 週2〜3回(新生児) | 毎日はかえって乾燥することも |
| タイミング | 授乳直後は避ける | 吐き戻し防止、少し経ってから |
おへそに水がついても本当に大丈夫?
いちばん迷いやすいところなので、別に取り上げます。「おへそに水が絶対ついてはいけない」と思っている方が多いのですが、正確には長くつけるのを避けるということで、一滴も触れてはいけないという意味ではありません。沐浴中に水がかすめる程度についたら、濡れた部分をやさしく押さえて乾かせば大丈夫です。本当に大切なのは、ついたかどうかではなく濡れたあとにしっかり乾かして乾いた状態にするかだからです。
反対に、入浴はおへそが治るまで見送ります。湯船に体をつけると、おへそが水中に長くつかって乾きにくくなるためです。ですから「触れること」と「つけること」を分けて考えると迷いません。取れる前はかすめるのは大丈夫でもつけない、治ったあとはつけてよい、ということです。
沐浴そのものを赤ちゃんがとても嫌がって、毎回泣きにつながるなら、それは洗い方とはまた別の問題かもしれません。お風呂を怖がる赤ちゃんをなだめる方法は沐浴をとても嫌がる赤ちゃん、どうなだめる?で別にまとめています。室温を合わせるのが難しければ赤ちゃんの部屋の適温とエアコンの使い方も参考にしてみてください。
沐浴のときに必ず守りたい安全2つ
方法より先に大切なのが安全です。沐浴に関して、いちばん大切な2つだけ覚えておいてください。
ひとつめは、湯温です。赤ちゃんの皮膚は大人より薄いので、大人にちょうどよい温度でも赤ちゃんには熱いことがあります。熱いお湯を先にためて水で調整するより、ためたあとに必ず肘で温度を確かめてから赤ちゃんを入れてあげてください。給湯器の温度をあらかじめ下げておくと、急に熱いお湯が出る事故を減らせます。やけどは一瞬で起こりうるので、毎回確かめる習慣が安全です。
ふたつめは、沐浴中はほんの数秒でも赤ちゃんをひとりにしないことです。赤ちゃんは浅い水でも、わずかな間に危険になりうるからです。電話が鳴ったり物を取りに行く必要があれば、赤ちゃんをタオルで包んで抱き、一緒に動いてください。だからこそ必要なものをあらかじめすべて準備しておくことが大切なのです。「ちょっとくらい大丈夫」がいちばん危険です。
こんなサインが見えたら小児科へ
おへそはほとんど問題なく治りますが、以下のサインが見えたら、治る過程の問題ではなく感染を疑うことがあります。このときは家で様子を見るより、小児科を受診してください。
- おへそやそのまわりの皮膚が赤く腫れて、触ると痛がる
- おへそから浸出液・膿が出続けたり、いやなにおいがする
- 血が止まらずにじみ出続ける
- 赤ちゃんが熱を出したり、いつもよりぐったりしてよく飲まない
とくに熱をともなうときは、より急いで確認するほうが安全です。なお、おへその消毒をどうするか、臍肉芽腫のように治る過程で生じる問題への対応は、この記事の範囲を超える話なので、沐浴の場面で出会うおへそのケアに絞っています。詳しいおへそのケアが気になるときは、受診の際に一緒に聞いてみるとよいでしょう。
よくある質問
はじめての沐浴は、生まれてどのくらいで?
生まれてすぐ急いで洗うより、ふつうは出生後数時間たって赤ちゃんの体温や状態が安定してから初めての沐浴をすることが多いです。産院や施設で案内を受けるので、その基準に従えば大丈夫です。家に帰ってからは、おへそが取れたかどうかで沐浴と入浴を分けて洗えばよいでしょう。
へその緒が思ったより取れません。大丈夫?
取れる時期には赤ちゃんによって差があるので、1〜2週より少し遅れることもよくあります。おへそが赤く腫れる、浸出液・膿・においといった異常のサインなくきれいに乾いていれば、もう少し待ってみることができます。ただし遅れながら、先に挙げた異常のサインもいっしょに見えるときは、受診の際に確認してもらってください。
洗浄料(せっけん)は必ず使う?
毎回洗浄料を使う必要はありません。新生児は水だけで拭いても十分なことが多く、使う場合もやさしい赤ちゃん専用を少量だけ使ってよくすすぐのがよいでしょう。洗浄料が残っていると、皮膚が刺激を受けたり乾燥したりすることがあるからです。
沐浴のあとは何をしてあげるとよい?
タオルでこすらず、押さえて水気を取ってあげてください。とくに首・脇の下・脚のつけ根のような重なる部分と、おへそのまわりは水気が残らないようによく乾かします。皮膚が乾燥しているなら、やさしい保湿剤を塗ってあげるとよいでしょう。濡れたあとで手足の爪がやわらかくなっていれば、このとき短く整えてあげるのもよいです。
沐浴のたびにひどく泣きます。沐浴を見送るべき?
沐浴を怖がったり泣いたりするのはよくあることなので、洗うのをやめる必要はありません。湯温、室温、洗う順番を、赤ちゃんが楽な方法に少しずつ変えてみると、よくなることが多いです。なだめる具体的な方法は沐浴をとても嫌がる赤ちゃんをなだめるでより詳しく扱っています。
最後にまとめると
おへそにへその緒が残っている間は、湯船につかる入浴ではなく温かい濡れタオルで拭く沐浴で洗います。へその緒が取れておへそが浸出液なくきれいに治ったら、そこで入浴に切り替えます。へその緒は生後1〜2週ごろ取れることが多いですが、時期には赤ちゃんによって差があるので、日数より、おへそが治ったかを目で確かめるほうが確実です。
湯温は37〜38℃、室温は24〜27℃、時間は20分前後、回数は週2〜3回を目安にして、授乳直後は避けてください。なにより、沐浴中は湯温を必ず確かめること、そしてほんの数秒でも赤ちゃんをひとりにしないこと、この2つがいちばん大切です。おへそが赤く腫れる、浸出液・膿・悪臭、熱がいっしょに見えるときは、様子を見るより小児科で確認してもらうほうが安全です。この記事は一般的な情報で、赤ちゃん個々の診療に代わるものではありません。判断に迷うときは小児科にご相談ください。