熱帯夜の赤ちゃんの寝かせ方は月齢で違う:新生児・離乳食期・1歳以降

熱帯夜の赤ちゃんの寝かせ方は月齢ごとに違います。新生児(0~3か月)・離乳食期(6~12か月)・1歳以降に分けて、服・寝具、体温調節、水分、注意点をまとめ、月齢を問わない脱水・熱中症の危険サインまで紹介します。

熱帯夜の赤ちゃんの寝かせ方は月齢で違う:新生児・離乳食期・1歳以降

夜になっても気温が下がらない熱帯夜が続くと、赤ちゃんを寝かせるのがことさら気をつかいますよね。エアコンを強くつけると赤ちゃんが寒くないか心配だし、かといって着せすぎると汗びっしょりで寝返りをうつし。でも、同じ熱帯夜でも、新生児を寝かせる方法と1歳を過ぎた赤ちゃんを寝かせる方法は、かなり違います。

まず大きな基準からお伝えすると、夏の夜の赤ちゃんの部屋は、おおむね22~26℃(睡眠時は24~26℃)、湿度40~60%くらいを適切な範囲と考えます。この基準は月齢に関係なく共通です。ただ、この環境の中で服をどう着せて、寝具はどう掛けて、水分はどう補うかが月齢ごとに変わってきます。新生児は体温調節が未熟で着せすぎ(過保温)がとくに危なく、離乳食期の赤ちゃんは運動量が増えて汗が多くなり、1歳を過ぎた赤ちゃんは布団を足で全部けってしまうからです。

そこでこの記事では、新生児(0~3か月ごろ)、離乳食期(6~12か月ごろ)、1歳以降(12か月~)の三つの区分に分けて、服・寝具、体温調節、水分、注意点を一つずつまとめました。最後には、月齢を問わず現れる脱水・熱中症の危険サインもあわせて載せているので、うちの子の月齢に合った部分から見てみてください。

熱帯夜に月齢ごとで寝かせ方が違う理由

同じ部屋、同じ温度でも、赤ちゃんが暑さに耐える力は月齢によって変わります。生まれたばかりの赤ちゃんは自分で体温を調節する力がまだ苦手で、暑い環境にも寒い環境にも大人より弱いです。反対に1歳を過ぎた赤ちゃんは体温調節がぐっと上手になりますが、夜通し転がって布団をけるので、寝具で温度を合わせるのが難しくなります。

水分の補い方も違います。生後6か月未満の赤ちゃんは、水を別に飲ませず授乳で補うのが原則です。離乳食が始まる6か月ごろからは、これに少量の水を添えることができます。このように体温調節の力、運動量、水分のとり方が月齢ごとに変わるので、熱帯夜の寝かせ方も一つにまとめるのが難しいのです。

月齢に関係なく守りたい夜の睡眠環境

月齢別に入る前に、すべての赤ちゃんに共通して当てはまる基本の環境から整えておくとよいです。夏の夜の赤ちゃんの部屋は22~26℃(眠るときは24~26℃)、湿度40~60%を目標にして、室内外の温度差は5℃以内にしておくのが無難です。温度差が大きすぎると、出入りのときに赤ちゃんの体がつらくなることがあるからです。

エアコンや扇風機の風は、赤ちゃんの体に直接当たらないように壁や天井のほうへ向けてください。服は薄手の綿で、掛け布団のかわりに薄手のスリーパー(スリープサック)でおなかだけ覆ってあげると、夏の夜はぐっと楽になります。赤ちゃんが暑いか寒いかは、手足よりも首の後ろや背中に手を入れて確かめるのが正確です。手足はもともと少し冷たいことが多いからです。そこだけを見て着せこむと、かえって着せすぎ(過保温)になりやすいです。

夜の間にエアコン・扇風機・除湿機をどうつけておくとよいか、夜通しつけても大丈夫かといった運転方法は熱帯夜の赤ちゃんの夜寝、エアコン・扇風機・除湿機はどうつける?で別にまとめています。ここでは月齢別の違いに絞って見ていきます。

熱帯夜の赤ちゃんの夜寝の共通基準をまとめたインフォグラフィック:温度22~26℃、湿度40~60%、温度差5℃以内、直接風は禁止、首の後ろで体温確認

新生児(0~3か月ごろ):着せすぎ(過保温)に気をつけて

新生児の時期にまず覚えておきたいことが一つあります。夏は寒くするより暑くするほうが気をつけたいということです。この時期の赤ちゃんは体温調節の力が未熟で、暑さにとくに弱いからです。厚く包んで体温が上がった状態は、安全な睡眠環境からは遠いものです。「新生児は寒いといけないから包む」という考えが、夏はかえって負担になることがあります。

服・寝具は、薄手の綿の半袖に、おくるみや薄手のスリーパーでおなかだけ覆うくらいが適当です。厚手の掛け布団や重ね着は避けて、部屋の温度を先ほどの24~26℃に合わせたうえで、服を一枚ずつ調整していくのがよいです。

体温調節は、エアコンをつけつつ、風が赤ちゃんに直接当たらないようにするのが肝心です。新生児は温度差にも敏感なので、室内外の差を5℃以内に保ち、眠ったあとも首の後ろや背中をさわって、汗びっしょりになっていないか見てあげてください。

水分は、水を別に飲ませないのが原則です。生後6か月未満の赤ちゃんには、水のかわりに母乳やミルクの授乳を少しこまめにすることが水分を補う方法です。母乳・ミルク自体に水分が十分に含まれているので、暑い日は授乳の間隔がふだんより短くなることがあります。

注意したい点もあります。生後3か月未満の赤ちゃんは、発熱などの異常サインだけでも早めに受診してみるのが原則です。この時期の赤ちゃんの熱は原因を見きわめにくいので、熱帯夜に体が熱く感じられたり、ふだんと違う様子が見えたりしたら、家で様子を見るより小児科に相談してみてください。

薄手の白いおくるみに包まれてぐっすり眠る新生児

離乳食期(6~12か月ごろ):運動量と汗が一緒に増えます

寝返りやハイハイを始める6か月ごろからは、赤ちゃんの動きがぐんと増えます。その分、汗も多くなり、寝ながら体を動かして暑さを表すこともあります。この時期の熱帯夜の寝かせ方は、増えた運動量と水分補給をあわせて気にかけるのがポイントです。

服・寝具は、新生児のときと同じく、薄手の綿の服にスリーパーが役立ちます。ただ、このころから赤ちゃんが体を転がして布団を押しのけ始めるので、掛ける布団より、着るスリーパーのほうがおなかを覆い続けやすくて便利です。

体温調節は、運動量が増えた分、汗がよく乾くように気を配ってください。日中にたくさん汗をかいたら、寝る前に軽く洗ってさっぱりさせてあげて、部屋の湿度が60%を超えないように調整すると、赤ちゃんがぐっと快適に眠れます。

水分は、この時期から少し変わります。6か月からは離乳食とともに少量の水を始められるので、暑い日の水分補給に水を添えることができます。水はあくまで少量を添える程度で、この時期も授乳は依然として大切な水分・栄養の供給源だという点は覚えておくとよいです。

1歳以降(12か月~):布団をける時期、スリーパーが現実的

1歳を過ぎると体温調節の力がかなり整ってきます。そのかわり、新しい悩みが出てきます。それが夜通し転がって、布団を足で全部けってしまうことです。どんなにしっかり掛けても、朝になると布団は遠くへ行っていて、赤ちゃんのおなかはすっかり出ている、ということがよくあります。ですからこの時期は、掛ける布団より薄手のパジャマとスリーパーでおなかを覆っておく方法のほうが、ずっと現実的です。

服・寝具は、薄手で通気性のよいパジャマにスリーパーを足すと、赤ちゃんがどんなに動いてもおなかが覆われたままです。「おなかをこわさないか心配で布団を必ず掛けなきゃ」と思うなら、布団のかわりにスリーパーでおなかだけカバーすると考えると、少し気が楽になります。

体温調節は、日中の暑さと脱水もあわせて見ておきたい時期です。行動範囲が広がって日中にたくさん汗をかく分、寝る前後に水分と体の状態を気にかけてあげてください。自分で「暑い」と少しずつ表現する赤ちゃんもいるので、赤ちゃんの言葉や表情にも耳を傾けてみましょう。

水分は、コップで水を飲めるのでぐっと楽になります。寝て起きたときや日中の活動の合間に水をとらせつつ、寝る直前に多い量を飲ませると夜中に目を覚ましやすいので、日中に十分に分けて飲ませるほうがよいです。

薄手の半袖姿で布団をけとばし、足を出したままうつぶせで眠る1歳を過ぎた赤ちゃん

月齢別の服・水分・注意点をひと目でまとめ

三つの区分を表にまとめてみました。下はあくまで大きな流れで、同じ月齢でも赤ちゃんによって差があるので、うちの子の様子に合わせて調整してください。

新生児・離乳食期・1歳以降の月齢別の服・寝具、水分、注意点を比べたまとめ表のインフォグラフィック
区分服・寝具水分とくに注意する点
新生児(0~3か月ごろ)薄手の綿の半袖 + おくるみ・スリーパーでおなかだけ水のかわりに授乳(母乳・ミルク)をこまめに過保温に注意、直接風は禁止、3か月未満は発熱など異常時は早めの受診
離乳食期(6~12か月ごろ)薄手の綿の服 + スリーパー(布団けり始め)6か月から離乳食とともに少量の水、授乳も併行運動量↑汗↑、湿度60%以下を維持、寝る前に軽く洗う
1歳以降(12か月~)薄手のパジャマ + スリーパーでおなかをカバーコップで水、日中に十分に分けて布団けり、日中の活動が多く日中の暑さ・脱水に注意

共通の基準(22~26℃・湿度40~60%・温度差5℃以内・直接風は禁止)は三つの区分すべてに当てはまります。赤ちゃんが今、暑いのか寒いのかサインの読み方に迷ったら赤ちゃんが送る「暑い・寒い」サインの読み方で、夏の適切なエアコン温度は赤ちゃんの部屋のエアコン適温ガイドで、より詳しく見られます。

こんなサインが見えたら脱水・熱中症かもしれません

ここまでがふだんの寝かせ方だとすれば、この部分は月齢を問わずぜひ知っておきたい安全のサインです。熱帯夜が続くときは、どの月齢でも脱水と熱中症の危険があるので、下のサインが見えたら涼しい場所へ移して熱をさまし、水分(6か月未満は授乳)をとらせたうえで、状態に応じて小児科や救急外来で確認してください。

赤ちゃんの脱水・熱中症の危険サインをまとめたカード型インフォグラフィック:ぐったりする、激しくぐずる、尿量の急減・濃い色、涙が少ない、唇の乾き、呼吸が速くなる、高熱
  • 赤ちゃんがぐったりする、または反応がふだんより鈍いです
  • ふだんより激しくぐずる、またはあやしてもなかなか泣きやみません
  • 尿量が目に見えて減る、または色が濃いです(おむつが長く乾いたままです)
  • 泣いても涙がほとんど出ません
  • 唇や口の中が乾いて見えます
  • 息を苦しそうにする、または呼吸がふだんより速く見えます
  • 熱が出ます — とくに生後3か月未満の赤ちゃんの発熱は、それ自体が早めの受診が必要です

これらのサインは、一つ二つだけでも見過ごさないほうがよいです。赤ちゃんの状態は急に変わることがあるので、はっきりしないときは家で様子を見るより、専門家が直接見て判断するほうが安心です。

よくある質問

新生児ですが、エアコンを夜通しつけて大丈夫ですか?
風が赤ちゃんに直接当たらず、部屋の温度が24~26℃、湿度40~60%に保たれていれば、エアコンをつけておくこと自体は問題というより、むしろ過保温を防ぐのに役立つことがあります。ただ、温度差が大きくならないようにして、寝ている間に首の後ろや背中の汗と体温をときどき確認してあげてください。夜通しの運転方法は、上にリンクしたエアコン・扇風機の記事で詳しくお話ししています。

まだ6か月にならないのですが、暑すぎて水を少し飲ませたいです。
生後6か月未満の赤ちゃんは、水を別に飲ませるより授乳を少しこまめにするのが原則です。母乳・ミルクに水分が十分に含まれているので、暑い日は授乳の間隔を短くすることで水分を補えます。どうしても水を飲ませるべきか心配なときは、小児科に相談してみてください。

1歳を過ぎた子が布団をよくけるのですが、おなかをこわさないか心配です。
布団をけるのは、この時期の自然な姿です。掛ける布団でおなかを覆い続けるのは難しいので、着るスリーパーでおなかをカバーする方法が現実的です。薄手のパジャマにスリーパーを足すと、赤ちゃんが動いてもおなかが出ません。

手足が冷たいのですが、寒いのではないでしょうか?
赤ちゃんの手足はもともと胴体より冷たいことが多いので、手足だけで判断すると着せすぎになりやすいです。暑いか寒いかは首の後ろや背中に手を当てて確かめるほうが正確です。背中が汗でじっとりしていれば、むしろ暑いサインのことがあります。

最後にまとめると

熱帯夜の赤ちゃんの寝かせ方は、共通の基準は一つ、細かい部分は月齢別にが肝心です。部屋は22~26℃・湿度40~60%・直接風なしで整えるのが共通で、その中で、新生児は過保温に気をつけて水のかわりに授乳で、離乳食期は増えた汗と少量の水で、1歳以降は布団のかわりにスリーパーでおなかを覆う、というように変わっていきます。

そして、どの月齢でも、ぐったりする・尿が急に減る・唇が乾く・高熱があるといったときは、脱水・熱中症を疑って早めに相談する、という点だけは共通です。うちの子の月齢に合わせて少しずつ整えつつ、赤ちゃんが送るサインもあわせて見ていくことが、蒸し暑い夏の夜を心地よく過ごすいちばん確実な方法です。あせも・湿疹で夏の夜寝がとくにつらい赤ちゃんなら新生児の湿疹(あせも)、環境で整えるケアもあわせて参考にしてみてください。